常盤平幼稚園

̈

C[W

月別アーカイブ: 2022年1月

ねむりひめ

2022年01月19日

うみぐみさんの11月のとしょかんでの一冊
nemurihime

「ねむりひめ」
フェリクス・ホフマン え
せたていじ やく
1963年10月 福音館書店刊

「ひとりでもこどもがあったらなあ・・・」と言い暮らす王と后にかえるの予言通り女の子が産れ、立派な運を授けてもらおうと祝いの会に占い女たちを招待しますが、よばれなかった占い女は「ひめは15になったらつむにさされてしぬぞ!」と呪いをかけます。

けれど、最後の占い女に「ひめぎみはしにません。ただ100ねんのあいだ、ぐっすりねむってしまわれるのです。」と呪いを軽くしてもらいます。

予言通り、15になった時、ひめはつむ(糸をまきとる道具)にさされて眠り、城の中のものは皆眠りにつき、いばらが城を覆ってしまいました。

丁度100年たったある日、いばらはひとりでに開き、王子は塔の中で眠るひめをひと目みるなり目を奪われ、王子のきすでひめは100年の眠りから目覚めます。

そして王子とひめの結婚式が世にも華やかにとり行われ、二人は幸せにくらしました。

” 今日はぜったい、このほんをよんでね! ” と書架を見た時からうみぐみさん(特に女の子たち)の熱い期待がありました。

ページを開く度に目にするホフマンさんの絵に目を奪われ、話がすすむ中、面白いところでは、思い切り笑い、あーでもないこーでもない・・・と賑やかにたくさんの言葉がとびかっていました。

” しーん ” と見取れたのは結婚式の場面。

そして最終ページを見るや ” えーっ すっげぇでっかいケーキ ” ” いいなあ ” 等々、歓声があがりました。

この絵本は猫のすきなとても喰いしん坊だったホフマンさんの次女さんのために書かれたとお聞きしました。
父親の愛情いっぱいの絵本です。

マドレーヌといぬ

2022年01月19日

11月のうめぐみさんのとしょかんで楽しんだ一冊。
madorenutoinu
「マドレーヌといぬ」
ルドヴィッヒ・ベーメルマンス 作画
瀬田貞二 訳
1973年5月10日 福音館書店刊

パリのあるふるいやしきに、ふっても、てっても9時半にさんぽに出かけるミス・クラベルと12人のおんなのこたちがいましたが、ある日、一番のおちびちゃん、マドレーヌがすべって川へ落ち、すんでにもくずとなる身を1ぴきの犬が救います。

命の恩人のその犬を共に連れ帰り、” ジュヌビェーブ ” と名付け、共に楽しく暮す中、学校検査の日がやってくるや ” いぬはがっこうにはいるべからずですよ。さっさとうせろ!ごろつきめ! ” とジュヌビェーブは追い出されてしまうのです。

「ジュヌビェーブほど、えらいいぬはないわ。あなたにはてんばつがくだりますから!」とマドレーヌが叫びます。

ミス・クラベルと12人のなかまはジュヌビェーブをさがしにさがしますが、見つからなかったその夜、” ようすがどうもへんですね ” とミス・クラベルがかけつけると…
外灯の下にジュヌビェーブがいたのです。

一見落着・・・ところが何と3度目、ミス・クラベルがはしりにはしって駆けつけると・・・

” びっくりぎょうてん ”
” ちょうどみんなのかずだけこいぬがうまれていたんですもの。”

うめぐみさんは読み始めから ” しーん ” と耳を澄まして聞いていて、まるで言葉が吸い取られているようでした。

最初、” マドレーヌしってる、よんだことある ” って言っていた方も ” おもしろかった。この本かりてく ” となった程です。

<げんきなマドレーヌ>に始り<マドレーヌといぬ><マドレーヌといたずらっこ><マドレーヌとジプシー>の4冊はどれもとても面白くおすすめです。

この絵本を訳されている瀬田貞二氏は ” ・・・いつもいつも楽しく酔わせるような陽気な活気があって、それがみな闊達自在な絵から物語を発酵してくるためなのでしょう。 ” と言われていらっしゃいますが、これを訳して下さっている瀬田貞二先生のことば・・・ ” もくずになるみ ”  ” てんばつがくだる ”  とか  ” すわ、いちだいじと、はしりにはしって ”  等々、こどもには難しいのでは・・・?と思いきや、いやいや、こどもたちは心地よく聞いています。

いつか、自分の言葉として使っていくことでしょう。この幼い時にこんなに豊かな言葉を味わえるなんで・・・瀬田先生に感謝です。

かさぶたくん

2022年01月19日

5歳のクラス、うみぐみのそれぞれ11月のとしょかんで楽しんだ一冊です。

kasabutakun

「かさぶたくん」
やぎゅうげんいちろう さく
1997年5月  福音館書店刊
2000年1月 かがくのとも傑作集

題名を伝えた途端、あちらこちらから、たくさんの方たちが手足をさわりはじめ、
” ぼくのかさぶたが ”
” わたしのかさぶた ”
と紹介が始まりました。

「かさぶた」に「くん」までついて何だか親しみさえ感じます。ページを開くと・・・
” とれるかな とれるかな・・・ ”
と大きなかさぶたを今にもはがさんとするや
” あっかさぶた とっちゃ だめよ!!”
とストップがかかります。

いろんなかさぶたがあるけれど、じゃ「かさぶた」ってなにでできてるの?
「ち」「ごみ」「にくのかたまり」「ち」じゃない?
「かみ」かなあ。
” かさぶたはきずのうんこだあ ”
子どもたちはことばとイラストに大爆笑です。
そのあと、「かさぶた」は「ち」でできたきずのふたで、その下のひふが頑張っているので、きんが入れず、新しいひふが出来るや自然にバイバーイすること、等々とてもたくさんの事をお腹をかかえて笑いながらいつの間にか学びます。

柳生さんのこの身体のシリーズは「おへそのひみつ」「おっぱいのひみつ」「あしのうらのはなし」「はなのあなのはなし」「きゅうきゅうばこ」とたくさんあり、とても面白く、何度も
”  読んで  ”  が繰り返されるかがくの本です。

おやすみなさいのほん

2022年01月19日

3歳のクラス、つきぐみさんの11月のとしょかんでの一冊。

oyasuminasainohon

「おやすみなさいのほん」
マーガレット・ワイズ・ブラウン ぶん
ジャン・シャロー え
いしいももこ やく
1962年1月10日 福音館書店刊

夜のとばりが降りる頃、とりも、さかなも、もりのけものも、
そしてふねや、くるまや、ひこうきも、えんじんをとめ、しずかになります。

” ちいさいかんがるーはおかあさんのおなかのあたたかいふくろにとびこんでめをつぶります。ねむたいかんがるーたち。”
ねむたいこねこたち、ねむたい・・・が続き、最後はねむたいこどもたち。で終ります。
ねむたい・・・のリフレインはまさに眠りへの誘いです。
読み手さえ、だんだん眠くなってしまうのです。

50年以上も読み継がれてきている絵本ですが、子どものとしょかんで日中エネルギーあふれる子どもたちとしっとり読むのがなかなか難しい絵本です。

ところが元気いっぱいの30人のつきぐみさんのとしょかんで、皆しっとり耳を傾けてくれました。

でも何といってもこの絵本はご家庭で眠る前に読んでもらうのが一番ふさわしい絵本です。

お祈りしてふとんに入る子どもたちを護るかのように大きな手がかざされ、最後、天使たちが持つハンモックの中で安らかな眠りに入る子どもたち。
「かみさま、あなたのけものやうたうことりたちにしあわせをめぐみ、ものいえぬちいさなものたちをおまもりください。」で終ります。

是非出会ってみて下さい。

162ひきのカマキリたち

2022年01月19日

11月、4歳のクラスうめぐみさんと楽しんだ一冊。

kamakiri

「162ひきのカマキリたち」
得田之久さく
「かがくのとも」福音館書店2000年5月1日刊

秋も深まってきた頃、幼稚園の庭で見つけたカマキリを大事そうに虫かごに入れて持ち歩く方がいました。
お腹をふくらませためすのカマキリです。
早速20年程前に出版されたこの絵本を読んでみました。
春、カマキリの卵のうから産まれたこどもたちは、何と!!162ひき。
うめぐみのみんなは
” えーっうそ!!そんなにも・・・。”
と驚き、2ページにわたる赤ちゃんカマキリの絵に驚き、
” ほんとうに162ひきこの絵にいるの? ”
と疑います。
数えてみて、やっと納得。
” すげえーっ ”

世に出た産れたばかりのカマキリを待っていたのは・・・苛酷な運命。
てんとうむし、あり、カエルにたった一日で100匹程食べられてしまいました。

生き残ったカマキリたちは何回も脱皮を繰り返しながら大きくなっていきますが、クモや仲間のカマキリに食べられたり、雨に流され、風にとばされ、スズメバチ等におそわれ、春の終りには18ぴき、夏の終りには何と4ひき、秋には生き残ったカマキリはたった1ぴき。
めすのカマキリでした。

ある日おすのカマキリとけっこんし、草の茎にたまごをうみました。
らいねんのはるにはこのらんのうからちいさなカマキリのこどもたちがたくさんうまれてくるでしょう。
作者、得田之久さんは昆虫少年として幼少期を過されたと昔読んだことがありますが、162匹ものカマキリたちを一匹ずつ個性豊かに描き余白をとりながら様々な運命をたどるカマキリたちを丁寧に描いてくれています。
読んだ後にはカマキリに愛しさを感じてしまう程です。是非出会ってみて下さい。

どろにんげん

2022年01月19日

10月、3歳のクラスつきぐみのとしょかんで楽しんだ一冊。

doroningen
「どろにんげん」
長 新太さく
1997年11月 初版 2002年 特製版
福音館書店刊

入園してからの毎日<どろ>とはとても親しい間柄のつきぐみさん。
題名を伝えただけで目がきらきら。
ある日、どろの中からにゅーっと出てきたおばけのどろにんげん。
うみからはたこです。
どろにんげんがほり出したおおきなおおきなおいもをたこがつかみ、ひっぱりっこです。
たこは「ぷーっ」とすみをはき、二人はおいもをころがしたり、川では橋にして ” ごおー! ” と噴火する火山まで運び、おいもをかざしながらごろごろ回します。
「やきいもだ!」「やきいもだ!」「おいしいね」「うんおいしいね」
ごろごろ、ごろごろかえります。
つきぐみさんは最初から最後までお腹をかかえて笑い、抱腹絶倒の一冊でした。

 

これはのみのぴこ

2022年01月06日

さてやはり11月ですが5歳のクラス、うみのとしょかんで楽しんだ一冊は…korenahoniminopiko

これはのみのぴこ
谷川俊太郎作
和田誠絵
(株)サンリード 1979刊

これはのみのぴこ これはのみのぴこのすんでいるねこのごえもん
これはのみのぴこのすんでいるねこのごえもんのしっぽふんずけたあきらくん

というようにこどばを積み重ねていく「つみかさねうた」です。
そして積み重ねる度に新しく登場するものは誰なのか、何なのか…を想像したり、予想したりするのですが、どろぼう、おだんごやさん、ぎんこういん、おすもうさん、かしゅ、様々な職種のいろんな人が登場する面白さと積み重ねる速度を早くしていくとどんどん楽しくなって笑いが止まらず、うみのみんなは転げ回る程楽しんだ一冊です。

谷川俊太郎さんと今は亡き和田誠さんのお二人の絶妙なユーモア感を一度味わって見て下さい。

ことばあそびうた また

2022年01月06日

4歳のクラス、うめぐみの11月のとしょかんで楽しんだ一冊です。
kotobaasobiuta

「ことばあそびうた また」
谷川 俊太郎 詩 / 瀬川 康男 絵
1973年10月01日初版 福音館書店刊

3才の時からことばが大好きなうめさん。
いよいよ「ことばあそびうた また」を楽しんでいる様子です。
” どれがよみたい? ” って聞いたら
すぐに ” かなかな ” って返ってきました。
そこで早速よんでみました。

kanakana

せみの大好きな方もたくさんいて、きっとかなかなを想像しながら楽しんだことでしょう。

ぼくごりら

2022年01月04日

子どものとしょかんから
〜二学期を終えて〜

「うみのがくたい」で開けた二学期。ふねのひと、くじら、いるか、さめ、ちいさな魚たちは、うみとなった幼稚園中を泳ぎ回りたのしい日々でした。

秋から冬へと季節が移ろう中、子どもたちは美味しいことばを求めて、子どものとしょかんへ足を運んでくれました。
今学期、各クラスで楽しんだ何冊かをご紹介します。まずは3歳のクラス、つきぐみさんの12月のとしょかんでよんだ一冊です。

bokugorira

ぼくごりら
小風さち ぶん
阿部知暁 え
(ちいさなかがくのとも 2005年1月)より

「ぼくごりら ごりらのこ」
「これはぼくのかあさん。ぼくのかあさんもゴリラ」

この絵本を持っただけで大歓声のつきさん、読み始めるともう笑いが止まりません。

大きな大きなかあさんに抱っこされ、おっぱいのんで、おしっこして、おんぶして、幸せいっぱいのごりらのこ。

かあさんはこどもに背を向けて食事中・・・。

” ぼくのこと みてみて ” といたずらいっぱいのごりらのこ、気をひこうと必死です。

でもかあさんはちゃぁーんと見ています。

” ひゃーっ かあさんにつかまった! ”
愛情いっぱいにすくすく育ちます。

午前中めいっぱいクリスマスの準備にあけくれてた午後のとしょかんのつきぐみさん。

集中力はどこへやら・・・で入ってきたこの日、
でも何と!!この絵本はどんな状況でも全員が楽しめてしまう魅力的な絵本です。

同じ作者からの続編「とうさんごりら」「ぼくはごりら」があります。とても楽しいです。

Copyright© 常盤平幼稚園 | Tokiwadaira kindergarten All Rights Reserved.