常盤平幼稚園

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月別アーカイブ: 2022年12月

シーフカ・ブールカまほうの馬

2022年12月27日

最後は11月の後半、5歳のクラスうみぐみさんと楽しんだロシアの昔話です。

シーフカ・ブールカまほうの馬

mahounouma

M・ブラートフ再話 松谷さやか 訳
B・デュオードロフ 絵
1997年9月20日 福音館書店刊

昔あるおじいさんには3人の息子がいて末息子は ”イワンのばか” とよばれていましたが、ある日おじいさんの麦畑が喰い荒らされ、夜、息子たちが順番に見張りにつくのですが、何と!!賊を見事に捕らえたのは末息子イワンだったのです。

イワンが捕えたのは毛並は金と銀、耳から煙を立ちのぼらせ、鼻から炎を吹き出すまほうの馬でした。

馬は ”逃してくれれば何でもします” と訴え、
「用事があれば三度口笛吹いてシーフカブールカまほうの馬よさあかけてこい!!って呼ぶように」
と伝えます。

その後、国中に
「たかい塔のまどべに座っているエレーナ姫の指から指輪を抜きとったものは姫の婿に選ばれるであろう」
というおふれが出ます。

イワンは魔法の馬に頼んで挑戦し、三度目に成功にこぎつけます。

家族からバカ呼ばわりされ続けるイワンですが、最後、姫が見事イワンの持っている指輪を見つけ、めでたく結婚のお祝いとなります。
めでたしめでたし。

ロシアの昔話の中で「魔法の馬」として必ず登場するお話です。
美しいお姫さまも登場したり、何とも猛々しい魔法の馬が登場したりでうみぐみさんもこんな話って・・・と今まで出会ったことのないお話を目を白黒させながら聞き入り楽しんでいました。

今、この絵本は手に入りませんが、「ロシアの昔話」という昔話集の中には必ずや登場するお話なので一度出会ってみて下さい。特におすすめは、「ロシアの昔話」内田莉莎子編 訳・タチヤーナ・マブリナ画 福音館書店刊です。
まだまだご紹介したい本はたくさんありますが、次の機会に・・・。

どのクラスの子どもたちもことばが大好きで毎日魅力のある美味しいことばをむさぼるように耳から食べての生活です。言葉の豊かさは心の豊かさにつながると信じます。

おやすみなさいフランシス

2022年12月27日

次は11月遠足のあとの4歳のクラスうめぐみさんのとしょかんの一冊。

おやすみなさいフランシス

oyasuminasai

ラッセル・ホーバン ぶん
ガースウィリアムズ え
まつおかきょうこ やく
1966年7月初版 福音館書店刊

夜7時、あなぐまのフランシスは両親に「もうねるじかん」と言われますが、ねむくないフランシスは
”ミルクがほしい”
・・・に始りあれこれおねだりします。
でもねむれないフランシスは自作のうたをうたいます。

「あはアップルパイ、いはいたち、うはうみへびよ、あたまにリボンをつけている。・・・」
とはとらだぞ・・・とらの出現から近くにとらがいる・・・おおおとこがいる、天井にあなが・・・と訴えに来るフランシスの気持ちを両親は冷静に聞き、それはね・・・と話し安心させます。

それでもいっこうにねむくならないフランシスにおとうさんは何故ねむらなくてはならないかを話します。

みなそれぞれの仕事があり、それを怠ると、失業する。おまえがいま寝にいかなかったら・・・・
「あたしもしつぎょうする?」
「いいや」
「おしりぶたれる?」
「そのとおり」
この会話の後、フランシスは気になることがあっても少し考え、自分で自分を納得させ、深い眠りに入ります。

うめぐみさんは丁度等身大の話に最初からとても楽しんでいて、フランシスのうたのあたりから大笑い。最後、おしりぶたれる?の会話も爆笑でした。とても楽しんだ一冊です。

他社からですが「フランシスのおたんじょうび」「ジャムつきパンとフランシス」「フランシスのいえで」「フランシスのおともだち」等出ていますので楽しんでみて下さい。

てぶくろ

2022年12月27日

次は11月の3歳のクラスつきぐみのとしょかんでの一冊。

ウクライナ民話
てぶくろ

tebukuro

エウゲーニー・M・ラチョフ え
うちだりさこ やく
1966年11月刊 1976年1月第28刷 福音館書店刊

あたり一面の雪の中、おじいさんが森を歩いていて、てぶくろを片方落していってしまうと、そこへねずみがやってきて
「ここでくらすことにするわ」
と入り、かえる、うさぎ、きつね、おおかみ、いのしし、最後はくままでやってきては
”わたしもいれて”
ぼくも、おれもと次から次へと入り込み、今にもはじけんばかりになったとき、おじいさんがてぶくろをさがしに戻ってくるのですが、てぶくろはむくむく動いていて子犬が吠えた途端みんなてぶくろからあちらこちらへ逃げだし、おじいさんは無事てぶくろを拾います。

次々登場する動物はそれぞれ民族衣装を身につけ交わす会話の面白さと、てぶくろの家をかさあげしたり、梯子をつけたり、中が賑やかになる度にとても凝った住処となっていくのが面白く、つきぐみさんは次から次へと登場する動物たちに
”えーっまた!!”
”もういっぱいだよ”
”はいれないよね”
等とつぶやく声が聞こえてきて、とても楽しみました。

とんだトロップ

2022年12月27日

11月の5歳のクラス、うみぐみのとしょかんの一冊

とんだトロップ

tondatorop

小野かおる 文・絵 1998年6月25日 福音館書店刊

極寒の小さな村に住む男の子トロップは父さん母さん兄さんと暮していて、何でも得意な兄さんに憧れていました。

夏祭りのジャンプ競争の一等の商品・・・ししゅうのついたきれいなくつをみた子どもたちは皆、ジャンプの練習に励みはじめました。

ところがトロップは兄さんのように高くとべず、練習を繰り返します。

それを見た大男の兄弟のまほうつかいが
”ちょっとおしえてやろうかな”
といって姿を見せず
”もっとひざをまげて、かおをうえにむけて”
と声をかけ始めました。

驚いたトロップでしたが、いわれるとおりにとんでいるうちに高くとべるようになると、まほうつかいはジャンプのおまじないを教えてくれます。
”ぎゅっとてをにぎって、とぶときにフレップトリップホーイホイ、ピルカンタラリンホイといってごらん。”

ところが競争当日、トロップはおまじないを間違えてしまい、木のてっぺんどころかあがったまま暗くなった頃、降りてきてごぼうびのくつをもらいました。

うみぐみさんはトロップがおまじないを間違えてしまい、どうなることか・・・ととても不安な表情でしたが、戻ってきた瞬間ほっとした様子で最後おもしろかったー!!といってとしょかんを後にしました。

ひがんばな

2022年12月26日

次は9月の4歳のクラスうめぐみさんのとしょかんの一冊。

ひがんばな

higanbana

甲斐信枝 さく 1977年9月 かがくのとも102号

9月お彼岸近くから園庭のあちら、こちらで咲き始めていた
「ひがんばな」。
子どもたちは手にとってみたくなっていたことでしょう。
そして
”ひがんばなってね、どくがあるんだって”
という話は拡がっていました。
そんなある日の一冊です。

この花にはたくさんの名前があります。
<まんじゅしゃげ><きつねのかんざし><はなぢょうちん><ちんちんどうろう>
球根からにょきにょきって葉っぱも出さず、茎をのばしいきなり花をさかせます。
何故葉っぱも出さず、季節になるとにょきにょき伸びて花を咲かせるのか?
不思議に思っていましたが、とても特殊な植物で花が終った後、すぐに葉っぱを出して球根に送り、次の開花に備え、緑の葉は冬を越し、春まで養分を球根にため込むのだそうです。

「ひがんばなのきゅうこんはどくをもっていて、なめるとぴりっと舌がしびれます。」と読むと、
”やっぱりな、どくがあるってきいたもん”
と皆納得でした。

この絵本の作者、甲斐信枝さんは
「・・・秋、地上に忽然とあらわれ、たちまちあたりを真赤に染めるこの花の独特の美しさ、形のすばらしさは幼い私の心をとらえて離しませんでした。・・・」
とこの絵本に寄せて書かれています。

クリスマスのふしぎなはこ

2022年12月26日

クリスマスのふしぎなはこ

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長谷川摂子 ぶん 斎藤俊行 え
2001年12月1日 こどものとも年少版刊

もうすぐクリスマス。
小さな男の子が床下で見つけた木製の小箱。
何だろう?開けてみると・・・
何とサンタさんがベッドで寝てる!!
箱はぼくだけの秘密。

サンタさんのいまを確かめるため、内緒でそっとはこをあける。
サンタさんは今出発するところ。
”もりのなかをちょうとっきゅうではしってる。”
”まちのうえをとんでる。ぼくのしらないまちだ”

「あのこはねたか このこはねたか ねたこのうちからくばろうかってサンタさんはうたってあるくのよ。さあ、はやくねましょ」
・・・のお母さんのひと言。

こっそり箱のふたをあけると・・・
”あっぼくのまちだ!!”
リンリンリンリン

この季節、どのこも今年のサンタクロースへの期待感でいっぱい。
絵本をよんだ後、ぼくはね・・・わたしね・・・贈物の話で何と賑やかだったことでしょう。子どもたちの大好きな一冊です。

ふゆのむし

2022年12月26日

5歳のクラス、うみぐみの11月のとしょかんでの一冊。

ふゆのむし

huyunomushi

藤井 醇 ぶん 三芳 悌吉 え
福音館書店刊かがくのとも9号 1969年 12月刊

八月の終り、こういちは雑木林で見つけたくわがたを<でか>と名付け大切に飼っていましたが、秋の終り、飼育ケースのフタをし忘れ、デカは姿を消しました。

家の中や庭にも見つかりませんでした。

冬となり<でか>を見つけた雑木林に行くと、そこにはみどりや金色に光る虫、キリギリス、かまきりの卵、たくさんのてんとう虫等がいて、こういちは楽しんで、雑木林に通っていましたが、ある日、切株の皮の間に黒いものが動いていて胸をどきどきさせながらめくると・・・とびあがりました。

あの『でか』がこういちをぐっとにらんでいたのです。

虫好き、虫博士のたくさんいるうみぐみさんですから、ページをめくる度に
”あっハサミムシ”
”エンマコオロギ”
”ミイデラゴミムシ”
”キリギリス”
等、あちらこちらからたくさんの虫の名前がとび交い、賑やかこの上なく楽しんだ一冊でした。

ぼちぼちいこか

2022年12月26日

次は4歳のクラス、うめぐみの9月のとしょかんの一冊。

ぼちぼちいこか

bochibochi

マイク=セイラー さく
ロバート=グロスマン え
いまえ よしとも やく
偕成社 2019年9月2版 21刷

”ぼく、しょうぼうしになれるやろか。”
”なれへんかったわ。”
”ふなのりは、どうやろか。”
”どうもこうもあらへん”
やる気満々、次から次へと憧れの仕事に挑戦するものの重量が並でないカバくんは失敗に失敗を重ねます。

うめぐみさんは関西弁で始まるこの絵本を手にした時からのりにのって大爆笑です。

バレリーナ、ピアニスト、カウボーイと挑戦を重ねるかばくん。
”そや、ええことおもいつくまでーここらでちょっとひとやすみ。”
とハンモックに乗ろう・・・とするカバくん。
散々な失敗を見てきたうめぐみのなかまから、
”ハンモックから落っこちるんだよ、きっと”
とささやきが聞こえましたが・・・カバくんはハンモックの中、
”ま、ぼちぼちいこかーということや。”
と終ります。

いつ読んでも皆大笑い。
”もういっかい”と声がかかる人気の本です。

訳者の今江祥智さんは関西のご出身。
”かばという動物は顔つきから動作までどことなくのんびり、おっとりしていてにくめません。
そのかばが俄然やる気をだしてがんばってみたものの、やっぱり少しゆっくり考えようよ、というこの絵本の発想が好きです・・・”
と書かれています。

子どもの読者の絶大な支持を受けているといわれています。

しゃっくりヒック

2022年12月26日

先ず、10月の終り、3歳のクラスつきぐみさんと楽しんだ一冊です。

しゃっくりヒック

hikku

木坂 涼 ぶん 古川タク 絵
2003年5月1日こどものとも年少版314号

ヒック…ヒック…ヒック、ケーキを食べていたこぐまくん、しゃっくりがとまりません。
ねずみくん、ぶたくん、あひるくんと次々会う度にどうしたら とまるかを教えてもらいます。
”そんなのかんたん、こうやるのさ”
”りょうてをびょろろーん かたあしれろろーん”
”みみをつかんでむぎゅー”
”いーちにーいさーん”
”とまった?”
ヒック・・・だめだあ

ヒェック
「あっ とまった!!」

しゃっくり・・・と聞いただけで笑い出すつきぐみさん。
ねずみくん、ぶたくん、あひるさんのとてつもない動作に大笑い。
笑いころげながら終った一冊でした。

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