常盤平幼稚園

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月別アーカイブ: 2023年4月

おじさんのつえ

2023年04月07日

お正月開け、雪の予報もあり、少し期待しましたが、残念ながら銀世界は夢となりました。でも子どものとしょかんには、冬ならではの、雪や氷にまつわる本も並び、むらづくりに励む日々の中、大好きな本、よみたかった本をクラスのなかまと思いっきり楽しみました。その中の何冊かをご紹介します。

先ずは3学期のトップバッター 3歳のクラス、つきぐみさんのとしょかんの一冊。

おじさんのつえ
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五味太郎 作・絵
1977年8月10日
第一刷 岩崎書店刊

長マントに帽子姿のおじさんが、ぴんくとおれんじまざりのながいものをつかって、次から次へと楽しんでいるのをみて、小さな男の子は
”ねえ、おじさん、それなあに つえなの?”
”でんわなの?”
”ケーブルカーなの?”
”すいどうなの?”
と聞きまくる・・・がおじさんは答えず、笛を吹いたり、花火をあげたり、星空をみたりしたあげく、飄々つえをついて姿を消す。
つきぐみさんは次から次へと魅力いっぱいの世界を展開するおじさんを只々追いながら、存分に楽しんだのでした。
五味太郎さんらしい美しい色彩とユーモアあふれる絵本です。

さるのオズワルド

2023年04月07日

次は、1月、5歳のクラスうみぐみさんのとしょかんの一冊です。

さるのオズワルド
saru
エゴン・マチーセン作
松岡享子訳
1998年3月第1刷 1999年6月第5刷
こぐま社刊

あるところに、いっぴきのちっちゃなつるがいてー
「おっとまちがい」さるがいて、
なまえをオズワルドといった。
・・・に始まるこの絵本、<おっとまちがい>の繰り返し。
その度にうみぐみさんは「えっ!また・・・」と大笑い。

一見、平和そうなオズワルドの住むさる社会。
ところがそこへボスざるのいかけやーーおっとまちがい、いばりや・・・
でっかくて、らんぼうで、みんなをけらいにしていばりちらしているいやなやつ・・・があらわれる。

さるたちはたかいえだに逃げブルブルふるえ、のみとりやまくらにさせられる毎日・・・
ところがある日、オズワルドがさけんだ
「いやだ!」
すると他のさるたちみんな「いやだ」「いやだ」「いやだ」「いやだ」の連発。

いばりやは「ウォーッ」ってうなったものの ひとりぼっち。そして決心して、いう。
「もうこれからはじぶんでなんでもするから、おりてきてくれよう・・・」と。
「いいよ、わかった」と平和が訪れ、「リンゴパーティー」をひらくが一番大きなリンゴはオズワルドがもらった。
いばりやの回心はオズワルドのおかげだったから・・・。

この絵本に出会ったこどもたちは、「ギャハハハ・・・」と大笑いして終ったあと ”かりてく!” と必ずいう。今回もしかり・・・。

エゴン・マチーセンは「あおい目のこねこ」で出会った作家。
デンマークの代表的絵本作家で絵本に関して、常に画家の目で見た「芸術的質」を大切にし、又「本が子どもに真実として受けとめられるためには、(本)の全体が作者にとって深い真実でなければならない」と説き真摯な姿勢で絵本を作り続けた・・・と著者紹介にあります。
とても楽しんだ一冊でした。

かんちがい

2023年04月01日

2月の初めにうみぐみさんとよみ始めた動物シリーズ。
2月の末日、シリーズの<5>を読みました。

かんちがい

kanchigai
吉田遠志 絵と文
1984年4月 初版発行
福武書店刊

アフリカサバンナの動物シリーズ5冊目は共に赤ちゃんを抱えたお母さん同志の間で起こったお話です。

ページを開くと、赤ちゃんを連れたサイのお母さんの横腹の大きな傷が目にとびこみます。いったい何が起こったのでしょう・・・?

サイの親子がおいしい草を求め、少し離れた森の側で草を食べ始めていると、森の中から赤ちゃん象がサイの赤ちゃんを仲間とかんちがいして近づいてきて二ひきはお互い相手を確かめ合っているのをみたサイのお母さんがこどもがいじめらているとかんちがいして走ってきたところに・・・

やはりこどもを心配した象のお母さんがサイのお母さんの脇腹を角で突いてしまいます。傷ついたサイのお母さんはどうなったでしょう・・・?

幸運にも翌朝だいぶ元気を取り戻したサイのお母さんの脇腹の傷を4羽のサイドリがきれいにしています。
アブやダニを食べて悪い病気からまもっていました。

3学期、この動物シリーズを読み始めてから、うみぐみさんはとしょかんに入る度に先ずこのシリーズの続きを・・・とたくさんの方の熱い期待の合唱。
それ位、この動物絵本は生命力にあふれ、野性そのものを感じさせてくれる他に類を見ない傑作です。

「絵本・物語るよろこび」(松居 直著 1990.9刊・福武書店刊発行)で吉田遠志さんを松居直先生は
「・・・動物を描いた画家、描ける画家は世界に数多くいるにちがいありませんが、こうした眼と腕で野性を物語をとおして描ける画家は決して多くはありますまい。吉田さんの絵本には、西洋的なものとちがう自然観、あるいは哲学のようなものが感じられます。まさに日本人の眼と感性がとらえた”野性のアフリカ”です。」と語られ「アニマ」107号の吉田さんの記事を紹介されています。

野生動物の世界には魅力がある。野生の法則には、金銭的な欲の争い、大量殺人の戦争がなく、異なった動物たちが思いのほか、平和に生活している。種類が違っても草食動物の群れが一緒に草を食べていることもある。
肉食動物は草食動物を食べるが、満腹しているライオンなどは見える所にいる動物でもとらない。草食動物は繁殖力が強いから自分たちの食物がなくならないためには数を制限する事が必要で、肉食動物とバランスをとっている。人間は家畜を食べるために皆殺しにするが、肉食動物は狩りをしても逃げられるものにはその機会を残している。無意味な殺生はしない。毛皮や牙をとったり、スポーツと称したりして動物を絶滅させてはいない。どちらが悪いかは明白である。犬を飼った人なら誰でも知っているように、仲間を裏切らない。こう考えて私は動物を愛し、その画を描いているから、「食うか食われるか」というような闘争の光景は描かない。うまく逃げられたり、群れを護ろうとするような光景ならば描いても良いなと思う。いくらでも素晴らしい題材がある。

上記の文章を紹介された後、松居先生は「動物や自然を愛する心は、幼い時から養われねばならない」という吉田遠志さんの心を、この絵本は幼い人々に伝えるでしょう。とあります。今後もこの動物シリーズは、大切によみ継がれていくことでしょう。

この一年を通してしみじみ感じたことは、つきぐみさん、うめぐみさん、うみぐみさんのどのクラスも一人のこらずの方たちがとてもとてもことばが大好き、絵本が大好きでとしょかんに入る度に”凄い”と感心しきりです。このことばの力はこれから生きていく子どもたちをしっかりと支えてくれることでしょう。

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