常盤平幼稚園

今日の一冊

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子どもたちと絵本

この園の子どもたちの生活は、絵本なくしては始まりません。
朝、みんなが集まれば絵本。帰りのさようならの前に絵本。
そして、週に1回、クラスごとに入る図書館では、 図書館の専任が、その季節や、クラスの子どもたちに合わせて、 今、出会わせたい絵本を選んで、子どもたちに読んでいます。

1日に2冊以上、1週間で10冊以上、1か月で平均50冊、1年にしたら、何百冊・・・
卒業までの3年だと・・・。
もちろん、読んだ本の数ではありません。
ただ、子どもたちは、幼稚園の3年間の生活の中で、 こんなにもたくさんの絵本に出会っているのです。
その、毎日の積み重ねの大きさを感じて頂ければ。

このブログでは、そんな日々の子どもたちと絵本との関わり、 様子、楽しんでいる絵本など、ご紹介していきます。

あめのひ

2020年10月13日

うみさんとよんだ本を紹介します。6月の雨の日に出会った一冊。
amenohi
ユリー・シュルヴィッツ 作・画
矢川澄子 訳
1972年9月福音館書店刊

屋根裏部屋のベッドの上で雨の音を聞く少女と猫。
” まどにぴしゃぴしゃ ” ” やねにばらばら ”
雨は街をすっぽり包み ざあざああふれて どぶをはしる。
はるかに連なる山々に降る雨 丘にも草にも池にも降り 蛙が大はしゃぎしている
みずはちょろちょろ ながれになって やまをくだって かわからかわへ よりあつまって しまいにうみへ….. と詩文を読んだ瞬間 ” へぇー そういうこと? ” という言葉が子どもたちの中から聞こえてきました。雨の風車は又町へと戻り 最後は屋根裏部屋の少女と窓辺に寝そべる猫とせのびしかけている植木鉢の花の場面で終わります。雨の風情、情緒を詩情豊かに語る絵本です。
今回うみさんととてもしっとり楽しめました。

三びきのやぎのがらがらどん

2020年10月06日

うめぐみさんの今学期2回目のとしょかんで大興奮でよんだ一冊。

sanbikinogaragaradonアスビョルンセンとモーの北欧民話
マーシャ・ブラウン え
せた ていじ やく
1965年7月 福音館書店刊

舞台は北欧ノルウェーの山の中、山の草場で太ろうと大きいやぎ、中くらいのやぎ、小さいやぎのがらがらどんが橋をわたりにやってくるのですが、橋の下には大きなきみの悪いトロルが住んでいるのです。

はじめに小さいやぎが、かたこと かたこと と小さな音で橋を渡るや、いきなり「だれだ おれのはしを かたことさせるのは」とトロルにどらられ、小さいやぎは「なに、ぼくですよ いちばんちびやぎのがらがらどんです」と言い ” ひとのみに… ” というがらがらどんに「すこしまてば二ばんめのやぎがやってきます。ぼくよりずっと大きいですよ」とその場をなんとか切り抜けるのです。

さて二ばんめのやぎは ” がたごと がたごと ” と橋をならしてやってきて「だれだ…」とどなるトロルに「ぼくは二ばんめのやぎのがらがらどん」と名乗り「ようし、きさまをひとのみに…」というトロルに「おっとたべないでおくれよ、これからやってくるやぎはぼくよりずうっとおおきいよ」と難を逃れるのですが、その時やってきたのは大きいやぎのがらがらどん ” がたんごとん がたんごとん ” とやってきて「おれだ!おおきいやぎのがらがらどんだ!」とがらがらごえで叫ぶのです。
この場面に来ると子どもたちは大きいやぎのがらがらどんに憧れいっぱいの眼差しを向けます。” かっこいいなー ” と言わんばかりです。

大きいやぎはトロルをこっぱみじんにして谷川へつき落とし、三びきは山へと登っていきます。3才で初めてよんだ時はこわごわだった方も今は余裕どころか、身を乗り出し ” やったあ ” と大興奮です。強くなりたいというう思いをもっている男の方には特に人気があります。

何度も出会って欲しいほんの一冊です。

こすずめのぼうけん

2020年09月26日

kosuzumenobouken
ルース・エインワース さく
堀内誠一 絵
1976年4月 福音館書店

木づたのつるの中に住むおかあさんすずめはある日 こすずめに飛び方を教えます。
お母さんの教え通りに飛び立ったこすずめは見事、空中に飛び、自信満々に飛ぶうちに疲れた羽を休ませる場所が欲しくてさがします。

にれの木のだらしない巣、ひいらぎのてっぺん近くの巣、かしの木のうろ、池のほとりのあしや草の巣、
どれもこれもこすずめは遠慮がちに
あの すみませんがなかへ入ってやすませていただいていいでしょうか?と訪ねますが、
” おまえ かあ かあっていえるかね? ”
” ほうほう ほうほうっていえるかね? ” 等聞かれ、
その度に ” いえ、ぼく、ちゅんちゅんちゅんってきりいえないんです ” と答えるこすずめは、
なかまじゃないから….と断れれてしまうのです。
読み進む間に心中こすずめになりきっている梅のなかまから、
” えーっ かわいそう ” ” わたしなら入れてやるわ! ” 等、
同情のことばがしきりと耳に入ってきます。

やっとお母さんすずめにめぐり会えた瞬間、” よかった ” の声が聞こえてきました。
お母さんを安堵させたことでしょう。
石井桃子さんの訳文、堀内さんの絵穂素晴らしさが心に刻まれます。

かくれんぼ

2020年09月26日

kakurenbo
スズキコージ作
1999年12月
こどものとも年少版 273号

” かくれんぼするものよっといで ” 
クンちゃん、カンちゃん、ポンちゃん、カボちゃん、レンちゃん
あちらこちらの路地裏から出てくる出てくる 子どもたち、

” じゃん けん ぽん ”
” わーい チョキかった ” 
” カボちゃんおにだ ”
かぼちゃんがかぞえます
” いち にぃ さん しぃ ” 
” ごう ろく しち はち ” 
” くう じゅう! ” 
” もう いいかい? ” 
” まあだだよ ”

ふんすいから、木桶の中から、ひともどうぶつも建物も車も、何から何まで登場する個性あふれるコージワールド。

梅さんは目を皿のようにして必死に探します。オニのカボちゃんはしっかり見つけます。
最後にあれ?ボンちゃんどこだ?
あれ? 乳母車ひくおばあさんの足が4ほん・・・?
” あっ ボンちゃんみっけ! ”

子どもたちはかくれんぼが大好き、毎日どこかのクラスでやってます。
一年中愛される絵本です。

とべ かぶとむし

2020年09月07日

tobetobekabutomushi
得田 之久 さく
1977年8月 こどものとも年少版

表紙いっぱいに ” ドーン ” と昆虫の王者かぶとむしが登場していれば、虫好きの方なら手に取らずにはいられません。
つきぐみのK君も大の虫好き。書架に並ぶ昆虫絵本をすばやく見つけ、” これよんで ” と持ってきてくれました。
さて先ず登場したのは見開きいっぱいの大きなくぬぎの木から ” ぐっ ” と出てきた大きな角。
” かぶとむしだ ” ゆっくりと枝を登るかぶとむし。
折れた枯枝を乗り越えるとそこに蜜をなめているかなぶんとすずめばちが….。
かぶとむしをみるや逃げ出した。かぶとむしは枝の先まで登りつめるや羽を思いっきり拡げとび立った。
” とべかぶとむし ”
K君はじめ、虫の大好きな子どもたちは、ただ憧れいっぱいの眼差しでこの勇者を見ていて、大満足で終わりました。

おばけがぞろぞろ

2020年08月24日

obakegazorozoroささきまき 作
1988年8月 こどものとも年少版

この絵本を持って題名を告げると、つきぐみさんの目がぴかりとひかりましたが、少し後ずさりした方も….。

木のうらが揺らめき、びろ〜〜〜んと表れたおばけは横たわるビンに ” もものりくん あそびましょ ” と呼びかけるや ” はーい あそぼう そぞまるちゃん ” と頭の割れた一ツ目おばけが現れるのです。

どうもおばけはともだち同士。ゴミ箱から消火栓から水道の蛇口から銅像の鼻から飛行機からと、次から次へと名前を呼ばれるや ” はーい ” とか ” いえい! ” とか言って登場する個性豊かな突飛なおばけたちが登場する度に ” ギャハハハ ” の大笑い。

おばけたちは、”あそぼう あそぼう ともだちさそって” と、最後は  ” しんごちゃん あそぼう! ”  と、誘います。

さて、しんごちゃんって?・・・・どうぞ出会ってみて下さい。

つきぐみさんの5回目のとしょかんでよんだ一冊。

めのまどをあけろ

2020年08月21日

6月、初夏に始まった新学期。子どもの図書館では、春をとび越え、夏の絵本がたくさん並び、カーペットスペースを広く取り、クラス毎、又、クラスを分けての時間を楽しみました。
2ヶ月の中での各クラスほんの数回という限られた中で楽しんだ絵本をご紹介します。
先ず、入園してからまだ2度目のとしょかんのつきぐみさんとよんだ一冊。

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めのまどをあけろ
谷川俊太郎 ぶん
長新太 え
1981年2月
年少版こどものとも

めのまどをあけろ おひさま まってるぞ・・・で始まる詩の本ですが、子どもたちが一番最初に出会うのは多分・・・・
いちばん ぼたん とおりゃんせ
とんねる くぐって うみへでる・・・・というこの園でボタンをはめる時のおまじない唄です。
まだ真新しいエプロンの固いボタン穴に挑戦しきりの子どもたちにとって、この詩は心強い応援歌でもあります。
一年経っても、二年経ってもこの <めのまどをあけろ> は子どもたちにとって懐かしさと楽しさが混在するわらべ唄のようなもの。
入りたてまだほやほやの月さんに ” どのうた うたいたい? ” と聞いたところ、即座に ” せっけんさん ” と返ってきました。
そこでみんなで身振り手振りをつけて・・・・ ” せっけんさんがすうべった すべっておでこをぶつけた ”・・・と図書館いっぱいに楽しい唄が響きました。

こねこのウィジー

2020年05月30日

2月の初め、レストランのお仕事が忙しい
つきぐみさんのとしょかんの一冊。

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さく・ハリエット・M・ジーファート
え・ドナルド・サーフ
やく・加藤チャコ
1995.5 福音館書店刊

この絵本を手にもって頁をひらき「これがこねこのウィジー いつもおひさまといっしょにはねおきて・・・」という言葉と同時にベッドから”ぴょん”ととび起きるねこの姿が目にとび込んできました。

”いそいでミルクをゴクゴクゴク それから・・・
そとにとびだします。ことば通りに絵があってまさに絵と文が一体です。

ウィジーはどろんこ道をころがったりバケツにかくれたり、ちょうちょを追いかけたり、ひとり楽しく遊びますが・・・・「ここはどこ?」かえりみちもわからなくなっちゃった。

「あたしまいごになりたくないよう」
ウィジーはおんおん泣きますが・・・
すぐに元気を取り戻し、木の上から見渡したり、てんとうむしにたずねたり・・・
すると道にあしあとが・・・
「もうあたしまいごじゃないよ!」帰り着くとお母さんが戸口で迎えます。

「おかえり、おりこうさんのウィジー」
「ちゃあんとばんごはんにまにあったわよ」
「あたし、ちょっとこわかったけど」
「でもたのしかった」
美しい色彩、選び抜かれたことばの中にウィジーの何気ない日常を幸せ感いっぱいに描かれています。

その日常の中にも幼い子どもにとっての大冒険があり、自分で勇気を奮い起こしながら切り抜けるエネルギーをこどもはちゃあんと蓄えています。

とてもよく聞いていたつきぐみさんは”よかったおうちにかえれて””かわいいね”という言葉を残してくれました。

ぽとんぽとんはなんのおと

2020年05月26日

2月終り、あちらこちらから春の気配がしてきた日に
うめぐみさんのとしょかんでよんだ一冊

potonpotonhanannnooto

1980年2月1日福音刊書店より

野原に山に雪に降り積り、冬ごもりの穴の中、くまの母さんは双子のぼうやを産みました。ぼうやはおっぱいのんではくうくうねむって大きくなりました。

ある日ぼうやは「かーんかーんっておとがするよ。かーんかーんってなんのおと?」するとかあさんがこたえました。「きこりがきをきるおとでしょう。とおいもりからひびいてくるの。

でもだいじょうぶ。きこりはここまでこないから。ぼうやはゆっくりおやすみね」「ほっほう ほっほう」「つっぴぃつっぴぃ」「どどーっどどーっ」冬ごもりの穴の中に聞えてくるふくろうの声やひがらの声、なだれの音、その度に”なんの音?”とたずねるこぐまに母さんぐまは安心出来るよう優しく答えます。

話を聞いているうめぐみさんもさかんに”ふくろうだよ””ことりだ”等、何の音かに想像をめぐらしていましたが「ぽとんぽとんってなんのおと」を読んだ瞬間、”つらら!つらら!”と声が返ってきました。

ページを開くと見開きいっぱい穴ぐらから見る銀世界、その入口の大きなつららから雫が落ちているのでした。

春風が運んだ春の匂いに誘われ穴ぐらから出ていく親子のくまを待っていたのは、可憐なかたくりの花でした。

この絵本は冬から春へと向かう雪国の風情、空の色、陽のひかり、全てを感じさせ、そんな自然を懐にして愛情いっぱい穴ぐらの中で子育てする母さんぐまに身も心も委ねきったこぐまの幸せを詩情豊かに語ります。是非出会ってみて下さい。

うまかたやまんば

2020年05月22日

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おざわとしお 再話
赤羽末吉 画
1998.10 福音館書店刊

昔、ひとりの馬方が山姥に襲われ、積荷の魚から馬まで丸ごと喰われた挙句、馬方をも喰わんと追ってくる中、命からがら一軒家の梁へ登り、ほっとした矢先、山姥がやってきます。

馬方は囲炉裏で背中あぶりしながら居眠りする山姥の甘酒をかやを抜いてつっぱつっぱ吸うは、餅をつくんとさしてはつりあげ、皆喰ってしまうのです。

”のんだのはだれだ””くったのはだれだ”と怒る山姥に馬方が”ひのかみ、ひのかみ”とささやき、木のからにとに入って寝た山姥に煮え湯をどーっとつぎこんで仇をうちます。

うめぐみさんは、山姥の形相といい「うまのあし いっぽんおいてけ。おかなきゃ、おまえをとってくうぞ」と今にもとびかからんとする絵の迫力に圧倒され固唾をのんで聞き入っていましたが、一本、又、一本と足をぶったぎられた馬が”がったがった”と逃げるとその様が面白いのか「あっはは」と笑いがおこりました。

実はこの笑いは今回だけではありません。必ずといっていい程です。絵をみると、生々しさは全くなく、図形のような描き方です。なるほど・・・と思いました。

うめぐみのみんなは最後まで迫力いっぱいのこの絵本をとても楽しみました。
お話といい、絵といい、最高の昔話絵本です。是非、出会ってみて下さい。

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