常盤平幼稚園

今日の一冊

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きんいろのしか

2021年01月15日

11月に、うみぐみさんと楽しんだ一冊です。
kinironoshika
「きんいろのしか」
バングラデシュの昔話
秋野 不矩 画 ジャラール・アーメド 案 石井桃子 再話
1968年12月初刊 再話2002年9月第13刷

昔、グリスタンという南の国のある王さまは金が好きで国中の金を一人占めする程でした。
ある日、王さまは金色に輝くしかをひと目みるや ” いけどれ! ” と命じます。
しかは逃げる途中に会った牛追いの少年ホセンに ” どうか、わたしのゆくえをはなさないで ” と頼みます。
追っ手に捕らえられたホセンに王さまは ” 3日のうちに生け捕らなければおまえの命はない。 ” と言うのです。
ホセンはしかに相談しようと旅に出ますが途中、災難に会っていた虎や象を助けたおかげでしかの住処にたどりつき、ホセンの話を聞いた鹿はホセンを乗せ王の前に立ちます。
王さまは飛びあがって喜び叫びます。 ” さあ きんをだせ!きんをだせ! ” きんは庭一面ひろがります。 ” もっとだせ!もっとだせ! ” と王は叫びきんは王さまのかかとをうずめ、ひざをうずめ、ももに届く程になり、 ” やめい! ” と王さまは命令しますが、しかは踊り続け、苦しむ王さまたちは積もりに積もったきんの下にかくれます。そしてホセンは草原に、しかは西のそらへと消えていきます。

この物語を ” しーん ” と息をころして聞いていたうみぐみさんの中から最後に ” しんじゃったね ” という声が聞こえてきましたが、そのあと部屋を出た階段から ” おもしろかった ” という声も聞こえてきました。

お話といい、絵の素晴らしさといい、大切にしている昔話の一冊ですが、2002年に30年の絶版後やっと復刊されたのに、残念ながら今はもう手に入りません。

 

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