常盤平幼稚園

今日の一冊

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たいふう

2019年01月26日

9月の大きな台風の後に、4歳のクラスばら組さんと楽しんだ絵本です。

91+6Aij955L
加古里子さく/え (こどものとも)

「たいふうすごかったけど、みんなどうだった?」と聞くと、「よなかにめがさめてこわかったー」
「あさいえのそとにおおきなものがおちてたよ。」
「はっぱだらけだった。」と、はなしがでることでること!

この絵本は、南洋の漁船の上の夕立雲は、雨と風の渦巻きとなり、だんだん大きくなって、赤ちゃん台風となり、それが日本へと向かって進んできます。観測船の人たちは、風と波にもまれながら、「こちら観測船、日本は、夕方過ぎ嵐と大雨になるでしょう。つつーととつー」と知らせます。気象庁に集められたレーダーの情報から驚報が出されます。台風が近づいてきた港の様子、大きな川にかかった鉄橋が水に浸かりそうになり、必死で防ぐ人々の様子。私たちが、台風の際、テレビで観る情景そのものを追体験しているような描写に驚かされます。

ばら組さんと仔細に描かれた絵に釘付けになりながら読みました。

加古さんは、あとがきで次のように言われています。
「単に恐ろしいもの、こわいもの対抗できないものとしての台風ではなく、むしろそれに工夫をかさね協力し、それに雄々しく立ち向かっていく前進的な人間の姿をできるだけ浮き彫りにしたつもりです。」

絵本の最終ページには、台風の後の夕焼け空の中、赤とんぼが舞い、復興に取り組む前向きな人々の姿が印象に残ります。
他にも嵐や台風を描いている絵本はあるのですが、何故かこの50年も前に描かれた加古里子さんの絵本が、こどもたちにリクエストされます。

 

 

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