常盤平幼稚園

今日の一冊

イメージ

ねこのごんごん

2020年05月07日

そらぐみさんの2月の初めによんだ一冊

nekonogongon

大道あや さく/え
1975.4 福音館書店刊

お腹をすかせた小さな迷いねこが辿りついた家には先住の年寄りねこの「ちょん」、いぬの「のん」が居ましたが、ちょんはこの迷いねこを家主のおばさんに飼ってもらうよう計い、”おまえは名なしのごんべえだから、ごんごんだ”と名付けます。

ごんごんはちょんにくっついて寝食を共に過ごしながら、手とり足とりこの家で暮す術をちょんに教えてもらいます。戸の開け方、木から安全に降りる方法、池の魚には手を出さないこと、そしてその都度、ちょんは「なにごともじぶんでおぼえるがかんじん。わかったか」といってごんごんをなめてくれるのです。

そらぐみさんは「なにごとも・・・・」と始まるや「またいった・・・」と笑い出します。

月日が流れ、ごんごんは成長していきますが、ちょんは年老いてねずみも取れなくなったある日、動かなくなり、土に埋められ、ごんごんはねずみを供えます。

ちょん亡き後、ごんごんが失敗しても誰も教えてくれず、ごんごんは自分で考えることにしました。ごんごんはちょんの言葉「なにごともじぶんでおぼえるがかんじん」をよく覚えていて、ちょんよりもりこうでつよいねこになりたいとおもっていました。

そらぐみさんはこの絵本に描かれ登場する数え切れない木や草花、鳥に虫に生きものたちを飽かず眺め豊饒な自然と物語を心に刻んだことでしょう。作者 大道あやさんは絵筆を握ったのは60才過ぎてからだそうです。

そしてこのお話の舞台となっているのは、埼玉県にある丸木美術館の敷地の中だったと最近知りました。この絵本の魅力は、話の面白さは勿論のこと、登場する草、木、花、鳥に虫にたくさんの生きものたち、全てが活き活き、生命力がみなぎっている様です。是非出会ってみて下さい。

Copyright© 常盤平幼稚園 | Tokiwadaira kindergarten All Rights Reserved.