常盤平幼稚園

今日の一冊

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子どもたちと絵本

この園の子どもたちの生活は、絵本なくしては始まりません。
朝、みんなが集まれば絵本。帰りのさようならの前に絵本。
そして、週に1回、クラスごとに入る図書館では、 図書館の専任が、その季節や、クラスの子どもたちに合わせて、 今、出会わせたい絵本を選んで、子どもたちに読んでいます。

1日に2冊以上、1週間で10冊以上、1か月で平均50冊、1年にしたら、何百冊・・・
卒業までの3年だと・・・。
もちろん、読んだ本の数ではありません。
ただ、子どもたちは、幼稚園の3年間の生活の中で、 こんなにもたくさんの絵本に出会っているのです。
その、毎日の積み重ねの大きさを感じて頂ければ。

このブログでは、そんな日々の子どもたちと絵本との関わり、 様子、楽しんでいる絵本など、ご紹介していきます。

ほね

2019年11月15日

4歳のクラス うめ組さんの楽しんだ絵本です。
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(福音館書店)

「きみは、さかなをきれいにたべられるかい?」と、問われ、次のページには、大きな鯛の骨が現れます。こどもの生活の中で、一番身近な骨といえば、魚の骨ですね。「きみの体に骨がなかったら、ぐにゃぐにゃになっちゃて・・・」蛸人間のイラストを見てうめ組さんは大笑いです。
外からは見えない、人間を含めての骨の話を分かりやすく解き明かしてくれます。
にんげんの骨格は、たくさんの骨が組み合わさっていて、関節という部分を使って、いろいろな動きができること。さらに、にんげんのからだのとても、大切な脳や、肺や心臓も守護ってくれていることも知るのです。

大切な骨、骨への認識と愛着をより深めたことでしょう。

うさこちゃんのさがしもの

2019年10月08日

3歳のクラス つき組さんが楽しんだ絵本です。51czhtmnVML._SY497_BO1,204,203,200_

(福音館書店刊)

表紙の大粒の涙を流しているうさこちゃんを見て、つき組さんは深刻な様子。くまさんを抱いて、ベッドに入ったうさこちゃん。目を覚ますと、くまさんがいません。うさこちゃんは泣きながら捜します。家の人、友達、おばさんにも聞きましたが、誰も知りません。夜、悲しみながら、ベッドに入って、足を伸ばすと・・・おや、何かが足に触りました。この瞬間に、つき組さんから、「くまさんだ!!」という声。毛布の下から、うさこちゃんが取り出したのは・・・。「くまさん!わーい、わーい!」の声を聞くや、つき組さんは大笑いでした。幼いこどもにとって、身近な出来事ですが、大事件でもあります。うさこちゃんに成り入って、心配したり、ほっとしたりの1冊でした。

ふわふわくんとアルフレッド

2019年09月27日

4歳のクラス うめ組さんの図書館で楽しんだ絵本です。
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(岩波書店)

おもちゃのくまふわふわくんは、アルフレッドが赤ちゃんのときから友達だったのですが、ある日、アルフレッドに、新しいとらのおもちゃしまくんが届くや、すっかりしまくんに夢中で、ふわふわくんには目もくれなくなってしまいます。

ある日、庭で、「ぼくだっていっしょにあそびたい」と訴えるふわふわくんを、アルフレッドは「ぼくはあたらしいとらのおもちゃとあそぶんだ」と、放り投げるのです。すると突然、ふわふわくんは、大きな木に登り、アルフレッドの心配をよそに降りて来ようとしません。アルフレッドの父さん、母さんが長い棒を探しに行きます。その間に、アルフレッドの嘆願と、また友達になるという約束に、ふわふわくんは、地面に飛び降りました。両親が長い棒を持ってきた時、アルフレッド、ふわふわくん、しまくんの仲睦まじい姿を見ます。両親は、どうして高いところに登り、どうやって降りてきたのか、不思議に思います。作者は最後、「どうしてだか、わたしたちはしっていますね!」と結びます。
シーンと聞き入るうめ組のみんなは、途中、アルフレッドに見向きもされないふわふわ君を想い、アルフレッドへの非難とふわふわくんへの同情の気持ちが、ひしひしと伝わってきました。

とてもしっとりと聞き入って、思い出の一冊となりました。

 

三びきのやぎのがらがらどん

2019年09月24日

3歳のクラスつき組さんが楽しんだ絵本です。
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(福音館書店刊)

むかし・・・で始まる昔話は、初めてのつき組さん。表紙は、目の覚めるような青色をバッグに大・中・小のやぎが谷の橋を渡る姿です。
橋を渡って、山の草場で太ろうと向かう三びきのやぎ達は、橋の下の大きな気味の悪いトロルに、“だれだ、おれの はしを かたことさせるやつは” と脅かされます。小さいやぎ、中くらいのやぎは、それぞれ知恵を働かせ、次にやってくるやぎの方がずっと大きいと言って、難を逃れます。
そして、橋をきしらせてやってきた大きいやぎは真正面からトロルと対決し、見事トロルをこっぱみじんにして、谷川へ突き落します。
そして、やぎたちは、草場へと向かいます。めでたしめでたし のお話ですが、つき組さんは、ドキドキするような迫力あるお話にじっと絵を見据え、シーンと聞き入っていましたが、最後に大きいやぎがトロルを負かした瞬間、「パチパチパチ」と拍手が起こり、「やったあ!」「よかった」等々言葉が飛び交いました。大変な集中力でした。この3歳の素晴らしい聞き手にこちらの方が驚いた程です。

あらいぐまとねずみたち

2019年09月12日

運動会のページェント(野外劇)で、
『天の火をぬすんだウサギ』のあらいぐまになる 3歳のクラス つき組さんと楽しんだ絵本です。01-0521_01

(福音館書店 こどものとも)

あらいぐま親子の家に、ある日、泥棒が入りました。犯人は・・・と捜すと、なんと!!
たくさんのねずみが遊んでいて、そこに盗まれたものがたくさんあったのです。ねずみさんは謝りました。でも、食べるものも、住む家もないというねずみさんに、あらいぐま親子は、一緒に畑を作り、家も作ってあげました。
つき組さんは、家を見た途端、「すごい」「たのしそう!」「ねるへやは?」「しょくどうは?」と、大興奮。細かく仔細に語られる絵と言葉に、思いっきり目を凝らし、耳を澄まして楽しんだ1冊です。

とべバッタ

2019年09月11日

4歳のクラス うめ組さんと楽しんだ絵本です。

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(偕成社)

毎日、おびえ暮らしているバッタが、そんな毎日がつくづく嫌になり、ある日決意する。大きな石のてっぺんで、悠々とひなたぼっこを始めたのだ。へび、カマキリをへこまし、そらのとりにも体当たり、雲をひきやぶり、昇りつめた挙句、下へ下へと落ちながら、バッタは突然自分の背中の四枚の羽に気づいたのだ。
あわや・・・と、思った時、羽のおかげで浮き上がり、自力で飛べる嬉しさをかみしめ、高く高くいきたい方へ飛んで行った。
まだ、4歳、5歳とはいえ、既にバッタが自然の中で、どのように生きているかを充分に想像できるこどもたち。
それ故、バッタの決意には、度肝を抜かれたに違いありません。
田島征三さんのエネルギッシュな絵と物語を一喜一憂しながら、楽しみました。

サリーのこけももつみ

2019年09月10日

2学期になり、5歳のクラス、うみぐみ、そらぐみ、それぞれのクラスで楽しんだ絵本です。

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(岩波書店)

冬用のジャムづくりのため、サリーとサリーのお母さんは、こけももやまへ、こけももつみにやってきました。

一方、こぐまとこぐまのおかあさんも、長い冬を越せるようおなかいっぱいにこけももを食べにやってきました。

ところが、大変なことに、こぐまとサリーのおかあさん、サリーとおかあさんぐまは、こけももやまのこけもものしげみの間で、すっかり相手を取り違えてしまうのです。
でも、サリーのおかあさんもこぐまのおかあさんも、大人でしたので、後ずさりして、こどもを探しに行き、無事、会うことができ、満足をして、こけももやまをあとにします。
大型の絵本は、自然の大きさをそのまま感じさせてくれます。

でんしゃはうたう

2019年09月06日

一年中、「よんで!」と、声がかかる絵本です。

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ホームに電車が入ってきます。
「でんしゃがまいりまぁす。」
かかっ かかっ すしゅーん こっこっ とろるるるー
「はっしゃしまぁす。」
ぷしっ ごろろー ぽっ

小さな男の子とお母さんが電車に乗るや、最先端で移り行く景色と音を楽しみます。

とっ たどっとーん どたっととーん どだっととーん たたっ つつっつつ たたっ つつっつつ どどん と、続くのですが、読み始めると、こどもたちは、この電車の音に大反響、大笑いです。そして、景色を楽しみます。
「あっ!ふみきり!」「あ!たこあげてる!」「あ!モノレール!」等々、でも、一番の盛り上がりは、何といっても、鉄橋を渡る音。
ごどん どどっどど ででん だだっだだ だだん ごどん どどっどど ででん だだっだだ

もう、大歓声となります。最初に出逢ったときは、電車の音の微妙な違いに舌を噛みそうになりながら必死でしたが、そんなことにはおかまいなしのこどもたちの大反響に助けられて、読む度に新鮮に楽しめます。

「斬新奇抜な乗り物絵本体験を味わわせてくれる傑作です。」
(松居直)

およぐ

2019年07月26日

あと数日でプール・・・という季節に必ず登場する絵本。
今年も、どのクラスも楽しんだ1冊です。

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「なぜおよげるのだろう・・・?」
「それは、からだがみずにうくからだ!」
「どうぶつもにんげんもからだのなかにうきぶくろをもっている。」
「はいにすいこんだくうきがうきぶくろのはたらきをして、にんげんのからだは、みずにうきやすくなるんだ。」
と解き明かす。でも、その前に水がかかっても、平気にならないと、泳げない。顔を水につけて、息を吐く練習、水にもぐったり、水の中で目を開けてからだを丸めると・・・ほら、うくぞ。

なかのひろたかさんのユーモアいっぱいのイラストに誘われ、本を読み終えると、すっかり泳げる気分になってしまします。
「てをもってもらって、よこになってみよう。」
「さあ、こんどは、ひとりでやってみよう」
「うかんだ、うかんだ。」
「ばた、ばた、ばた・・・」
泳ぐイメージとして、最適な1冊です。

あまがさ

2019年06月23日

雨の季節に共有したかった1冊を、5歳のそれぞれのクラスで楽しみました。
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(福音館書店刊)

主人公モモは、ニューヨーク生まれですが、両親は日本人、日本の可愛い桃を想い、娘に名付けました。モモは、3歳の誕生日に赤い長靴と雨傘をもらいます。モモは、嬉しくて、夜中にも眺めたくらいです。ところが、モモの期待とは裏腹に毎日太陽がぎらぎら、雨はちっとも降りません。何とか傘をさす口実を作ろうと必死です。「おひさまがぎらぎらしているから・・・」とか、「かぜがふいて、めがいたくなるから・・・」とか、でも、お母さんの返事はいつも同じ。「あめのひまで、とっときましょうね。」そして、とうとう雨の日がやってきます。モモは、慌てて顔も洗わず、長靴をはこうとした位。モモはこっそり自分に言い聞かせました。

ーわたし、おとなのひとみたいに、まっすぐあるかなきゃ!あまがさの上では、あめがきいたこともないふしぎなおんがくをかなでていました。

ぼんぼろ ぼんぼろ ぽんぽろ ぽんぽろ・・・

父親、作者八島太郎が娘が幼かった頃のことを回想した、絵にも、言葉にも、情感あふれる絵本です。一緒に読んだうみそらさんは、早く雨傘と長靴を使いたいモモの気持ちに寄り添って、楽しんでいました。

 

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