常盤平幼稚園

今日の一冊

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子どもたちと絵本

この園の子どもたちの生活は、絵本なくしては始まりません。
朝、みんなが集まれば絵本。帰りのさようならの前に絵本。
そして、週に1回、クラスごとに入る図書館では、 図書館の専任が、その季節や、クラスの子どもたちに合わせて、 今、出会わせたい絵本を選んで、子どもたちに読んでいます。

1日に2冊以上、1週間で10冊以上、1か月で平均50冊、1年にしたら、何百冊・・・
卒業までの3年だと・・・。
もちろん、読んだ本の数ではありません。
ただ、子どもたちは、幼稚園の3年間の生活の中で、 こんなにもたくさんの絵本に出会っているのです。
その、毎日の積み重ねの大きさを感じて頂ければ。

このブログでは、そんな日々の子どもたちと絵本との関わり、 様子、楽しんでいる絵本など、ご紹介していきます。

ウグイスホケキョ

2018年03月20日

3月のある日、3歳のクラス つきぐみ ほしぐみのこどもたちが楽しんだ絵本です。IMG_6576(Edited)

かつて我が家の犬たちが健在だったころ、早春、散歩途中の藪の中から聞こえるウグイスの初音は、 ”ホー ホケキョ” という歌とは程遠く、 ”オーオキョ” ”ホーフィッキョ” のような、まさに練習中の鳴き声そのもので、藪の中で必死に練習を重ねるウグイスの姿を想像しながら通るのが楽しみでした。

さて、この絵本でも、”ホーホケキョ” を目指して、ウグイスのこどもが練習しています。その鳴き声に、こどもたちは、お腹を抱え、転げ回って笑いが止まりません。他の鳥たちもきて、ウグイスたちも、必死です。そして、ついに、”ホーホケキョ” と鳴いた場面では、こどもたちも、大喜び!!

藪が少なくなりましたが、この練習中のウグイスの声に、ぜひ出会ってぜひみて下さい!

 

トロールのばけものどり

2018年01月19日

新年が始まり、5歳のクラス うみぐみさん そらぐみさんが
楽しんだ1冊です。

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『トロールのばけものどり』
イングリ・ドーレアとエドガー・ドーレア作
いつじあけみ訳
(福音館書店)

ノルウェーの山の谷で起こったお話。
薪を取りに行ったオーラと3人の妹と馬のブラッケンは、
トロールが飼っているばけものどりにおそえわれそうになりますが、オーラのらっぱじゅうが見事命中。
大きな大きなとりはローストチキンになったり、
羽根は枕や布団になりました。
そして、大きな大きなくちばしは・・・?

じょうぶなおふねをつくって、
みんなでうみへとこぎだしました。

♬すいすい すべるよ すてきな おふね

ぞうのババール

2018年01月09日

5歳のクラス うみぐみさんが楽しんだ絵本です。
IMG_5360『ぞうのババール』
ジャン・ド・ブリュノフさく
矢川 澄子 やく
(評論社)

大きなもりのくにで産まれた小さなぞうババールを、
母さんは可愛くってたまらない。

ババールはすくすく育ったが、ある日、母さんにおんぶされて、散歩の途中、母さんが鉄砲に撃たれてしまう。
捕まりそうになったババールは逃げて、町に辿り着き、お金持ちのおばあさんに会って、欲しいものを次から次へと買って、
おばあさんと一緒に暮らした。

「おばあさんの買ってくれたじどうしゃでまいにちドライブ、
ほしいものはなんでもかってもらえる。」

この一言を聞くや、こどもたちから、「えーっ、いいなぁ」
「うらやましいー!!」という声がいっぱい。

全て満たされているババールにも、時には、故郷を想い、母さんのことを想って涙することも。ある日、ぞうの国のいとこたちと偶然会ったババールは、ぞうの国へ帰ることに。

帰ったその日、なんと王様が毒キノコに当たって死んでしまう。

赤い車で堂々と故郷入りしたババールは、王様に推される。
いとこのヤレストを皇后として紹介し、
早速、結婚式、載冠式を済ませ、新婚旅行へと出かける。

母さんを亡くした不幸はあったものの、ババールの何でも叶えられる運命に満足感にひたったうみぐみさんに、続きの本があることを告げると、「かりたい、かりたい!」と、
期待いっぱいの様子でした。

“古くから翻訳され、こどもたちにも愛され続けている本” くらいの認識程度だったこの絵本に大きな衝撃を受けたのは、ある機会にお聞きした長谷川摂子さんのお話からでした。

「38歳という若さで、3人の子を残して、この世を去った作者ジャン・ド・ブリュノフのこの作品は、死を予期した父親の愛する我が子への手放しのエール “生きていける” だった。」

これを知って以来、この絵本にこどもたちと出会う時、
熱いものが込み上げます。

“生きていさえすれば、楽しいことがいっぱいだよ”
“生きてきて本当によかった”

というメッセージいっぱいの絵本だったのです。

おおきなおおきなおいも

2017年12月22日

3歳のクラス ほしぐみさんが楽しんだ絵本です。IMG_5354

『おおきなおおきなおいも』
赤羽末吉 さく・え
(福音館書店)

保育の中で現実に体験された先生のお話がもとになった絵本ですが、ここまでこどもたちの想像を刺激して豊かな遊びへと展開させられる、先生の力量の凄さに驚かされます。この実践に、感動されて、絵を描かれている、画家の赤羽末吉さんは、「絵本は、絵画ではない。いい絵をただ並べても、えほんにはならない。めくると、展開するその流れと、ドラマ性が大切である。」と言われているそうで、それは、赤羽先生の絵本作りの一貫した強い思想と言われます。
(松居直著「こどもがときめく絵本の世界」より)

ぶたたぬききつねねこ

2017年12月22日

どのクラスのこどもたちも楽しんだ絵本です。

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『ぶたたぬききつねねこ』
馬場のぼる
(こぐま社)

お馴染みのしりとり絵本ですが、11ぴきのねこで馬場のぼるさんの世界を満喫しているせいか、書棚に並んでいると、必ず手に取ります。初版から22年の間に、84回も刷り直されているのも納得です。
言葉と絵の羅列に終わらない、こちらの予想は大方はずれ、飛び出すことばの奇想天外さと、ユーモアいっぱいの漫画も魅力に一つでしょう。
リズムをつけながら仲間と声を合わせて楽しむひとときは、「ことばってたのしい」そのものです。

ねこねてる

2017年12月22日

年齢を超えて、どのクラスのこどもたちも楽しんだ絵本です。IMG_5352

『ねこねてる』
田島征三 作
こどものとも0・1・2
(福音館書店)

豪華なソファーで気持ちよさそうに寝ている茶トラねこ。
ページを開いても開いても、「ねこねてる」と続き、9ページもの猫の寝姿にこどもたちは、大笑いです。
次は、どんな寝姿で・・・と思ったら、「ねこ おっこちた」
でも、次のページは、「ねこねてる」で終わります。

いかにも、ねこを知りつくしていると思われる作者のユーモアいっぱいの1冊です。

きりのなかのはりねずみ

2017年11月08日

5歳のクラス そらぐみさんの図書館で楽しんだ絵本です。

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『きりのなかのはりねずみ』

ノルシュテインとコズロフ/作
ヤルブーソヴァ/絵
こじまひろこ/訳

はりねずみは、ともだちのこぐまの家に出かけます。
こぐまが大好きな ”のいちごのはちみつに” を持って・・・。
すると、みみずくがついてきて、こぐまのやることを
真似てばかり。そらぐみのこどもたちは、
真似ばかりのみみずくに大笑いです。

霧の中に白い馬が浮かび、どきどきしながら霧の中に入ります。
はりねずみは、かすかな物音、息づかい、感触全てを研ぎ澄ましながら、霧の中をさまよい歩くのですが、忘れ物を届けてもらったり、川の中で誰かに助けられたりしながら、
こぐまの家にたどり着くのです。

「きみがいなかったら、だれとほしをかぞえるのさ?・・・」
はりねずみは、こぐまのおしゃべりをききながら、
こぐまくんといっしょはいいなと思います。

読んでいると、まるで五感が研ぎ澄まされるような思いです。
出逢って欲しい本の1冊です。

100まんびきのねこ

2017年10月31日

5歳のクラス うみぐみさんの図書館で楽しんだ絵本です。
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『100まんびきのねこ』
ワンダ・ガアグ ぶん え
いしい ももこ やく

とても歳を取ったおじいさんとおばあさんは、花に囲まれ、きれいな家に住んでいましたが、しあわせではありませんでした。
とてもさびしかったのです。

「うちに、ねこが一ぴきいたらねえ。」のおばあさんの一言で、おじいさんは猫を探しに行くのですが・・・。
たくさんのねこに会ったおじいさんがどれもすてがたく、
全部を家に連れて帰ります。
話が進む毎に、こどもたちから、『えーっ!!』『えーっ!!』
の驚きの反応。

アメリカ絵本の古典ですが、とても温かく豊かな表現で
こどもたちを惹きつけます。

こねこのウィジー

2017年10月12日

3歳のクラス つきぐみさんが図書館で楽しんだ絵本です。
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『こねこのウィジー』
さく:ハリエット・М・ジーファート
え:ドナルド・サーフ
やく:加藤 チャコ

いつも元気に起きて、お腹を満たし、それから外へと遊びに行くこねこのウィジー。迷子になっても、あちこち探し、お家まで戻ってきます。「おかえり、おりこうさんのウィジー!」
「ちゃあんと ばんごはんに まにあったわよ。」と、おかあさんの腕の中へ・・・。「あたし ちょっと こわかったけど」「でも、たのしかった。」

つきぐみのこどもたちは、ウィジーと一緒に遊び、
一喜一憂しながら、最後は、お母さんに両手いっぱいに迎られるウィジーに、心が満たされたひとときでした。
こどもの日常が温かくシンプルに描かれた一冊です。
色彩の美しい絵が魅力的です。

ふくろにいれられたおとこのこ

2017年09月28日

3歳のクラス つきぐみさんが図書館で楽しんだ絵本です。

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『ふくろにいれられたおとこのこ』
山口智子 再話
堀内誠一 画
(福音館書店)

こどものとしょかんでも大の人気の絵本です。
イチジクの大木の上のピトシャン・ピトショの前に、
ふくろをかついだ大きなオニが現れ、
「えだよ ひくくなれ!」のオニの一言で、
ピトシャン・ピトショは、オニのふくろのなかへ・・・。

オニは、「これでよし、と。こんやのごちそうは、
ピトシャン・ピトショだ」と、家へと向かいます。
この一言は、幼いつきぐみさんを
凍らせてしまうほどの迫力があります。
「シーン」と固唾をのむこどもたち。
この後の大逆転は、こどもたちを「やったー」と、
ばかりに開放し、心底ほっとさせて、幕となります。

お話が最高に面白いのですが、何といっても南フランスを
彷彿とさせる色彩と絵が魅力一杯で、
「もういっかい!!」の連発です。

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