ぬくぬく
2月の寒いある日、そらぐみさんのとしょかんでよんだ一冊です。
天野祐吉 作 梶山俊夫 画
1980.1.1 福音刊書店
さむがりのようかい「ぬくぬく」は身体にいっぱいわらを巻きつけ「ぬくぬく、ぬくぬく」とつぶやきながら山の中を歩き回る。
ぬくぬくが通った後、ひんやりつめたい風がふく。
雪の中、ぬくぬくに身体をすり寄せられた者は震えで三日寝込むといわれる。
ある日のこと、ぬくぬくが身体をすりよせた相手は可愛い女の子。
逃げるどころか、ぬくぬくについてきて、山芋をいっしょに食べた挙句、ぬくぬくの膝枕で寝てしまった。
仕方なく、ぬくぬくは女の子を背負い、里に下り、戸口にそっと置いてくる。
翌日もぬくぬくは女の子を気にしながらいると、何と身体にわらを巻いた一団・・・
多勢のこどもたちが「ぬくぬく ぬくぬく」と声をあげながら通りすぎてゆく。ぬくぬくはうきうきし、身体中ぬくもり、行列について歩き出した。
行列が始まったあたりからそらぐみのみんなは笑うこと笑うこと
ぬくぬく ぬくぬく かおだせ しりだせ
ぬくぬく ぬくぬく どいつがぬくぬく あいつがぬくぬく
ととなえながらとしょかんをあとにしました。