ひゃくにんのおとうさん
2月の初め、うみぐみさんのとしょかんの一冊
譚小勇・天野祐吉 文 譚小勇 絵
昔、山奥の村で畑を耕していた若い夫婦がとてつもなく大きなかめを掘り出し、のぞき込んだ拍子に被っていた傘がかめの中に落ち、拾いあげると何と!!百枚もの傘が出てきました。
夫婦はこの魔法のかめを持ち帰り、鉄なべも試し、村人たちに分けたのですが、噂を聞いた地主が夫婦からかめを奪いとってしまうのです。
さて地主が暗いかめの中をろうそくの火でのぞいたひょうしにかめの中にろうそくが落ち、百ばいの炎が燃えあがり、「みずだ、みずだ」とかけた水が百ばいとなりました。
「このさわぎはなにごと」と奥から地主のお父さんがやってきて、のぞこうとしたところ、台がすべって、お父さんはかめの中に落ちてしまいました。
「たすけてくれえ」の声で地主はお父さんをかめからひっぱり出したのですが・・・・「たすけてくれえ」と又・・・・おとうさんが・・・なんということでしょう、かめの中からひゃくにんのおとうさんが出てきたのです。
うみぐみさんのとしょかんでこの絵本が出ていると、必ず誰かしらが、”これおもしろいからよんで”と声がかかります。そして読むと、必ずやおとうさんがひゃくにん出てくるところで大爆笑になるのです。
うみぐみさんとは切っても切れない懐かしい一冊かもしれません。この絵本の作者、譚さんは「私が幼い頃、母親から聞いた物語。おもしろくて大人になっても覚えていて、日本の子どもたちに紹介したいと思った」と語られています。