くんちゃんのだいりょうこう
寒くなってきた11月の終わり うめぐみさんと楽しんだ一冊。
「くんちゃんのだいりょうこう」
ドロシー・マリノ文/絵 石井桃子訳
1986年5月26日岩波書店刊
冬ごもりの季節、こぐまのくんちゃんは鳥があたたかい南の国へ行くと聞き、 ” ぼくもみなみのくにへ.. ” とでかけます。
ところが丘の上までいくと、お母さんにキスしてこなかったことを思い出し戻りますが、又、行っては ” そうがんきょうがいる ” といって戻り、あれこれ持っていきたいものを思い出す度、戻ってはお母さんにキスをして、又行って・・・を繰り返します。
うめぐみのみんなはその度に ” えーっ!また ” といっては皆で大爆笑です。
くんちゃんはとうとうくたびれて ” ぼくりょこうにでるまえに、すこしひるねをしたほうがいいとおもうんだ。 ” といってベッドに入り眠ります。
その姿をみて「みなみへはわたっていかないとおもいますよ」「なに、くんちゃんはこれからふゆじゅうぐっすりねむるよ。」...と両親はくんちゃんにあたたかい眼差しをおくります。
くんちゃんシリーズは他にも6冊ありますが、訳者のまさきるりこさんは「くんちゃんシリーズのどの本の底にも流れているのはごく自然な、しかも深くて広い愛情です。
そして子どもをみつめるその眼は、気負わず ” 力まず ” 理が勝ちもせず、情にも流されず、これまたごく自然でかつ適確です。
この絵本をはじめ、くんちゃんシリーズがとても子どもたちに親しまれ、人気があるのはそんな所以かもしれません。」と語って下さってます。