オオカミのごちそう
1月、うめぐみさんのとしょかんで楽しんだ一冊。
オオカミのごちそう
ぶん 木村裕一
え 田島征三
1999年4月 偕成社刊
オオカミがコブタをみつけたのはくぬぎ林のなか。
「まてぇー。おれさまにねらわれたら、もうにげられないぞ。」とコブタを追いまくるオオカミ。
”ひぇ〜”とコブタは必死に逃げまくります。ところがオオカミ、切株につまずき、すってんころりん。
コブタは逃げます。
オオカミの頭の中はコブタでいっぱい。
ズンズン丘を登るオオカミ、うさぎやらシカやらオンドリには目もくれず、妄想の中のコブタは丸々と肥えに肥えていきます。
ヒツジやウシやシチメンチョウ、タヌキには目もくれず、ズンズン登っていくと、しげみに息をひそめてふるえているコブタがいました。
オオカミ、ガバーッと口をあけ、今にものみこもうとしたそのとき、「あれ?まてよ、あのコブタってこんなにちっぽけだったっけ。」と思い浮べるや...「おっともうちょっとで、まちがえてくっちまうところだったぜ...」とコブタを降ろすやズンズンとおかをくだっていきましたとさ。
表紙をみただけで、”何だかおもしろそう..."と、とびついたうめのなかまたち。
ユーモア満載のお話とダイナミックな絵の中でオオカミの妄想と失策に大笑いしながら楽しんだ一冊でした。
この絵本を開いた途端に目に入った、田島征三さんのひと筆書きのサイン、オオカミの絵にも目が釘付けでした。