ふわふわくんとアルフレッド
(岩波書店)
おもちゃのくまふわふわくんは、アルフレッドが赤ちゃんのときから友達だったのですが、ある日、アルフレッドに、新しいとらのおもちゃしまくんが届くや、すっかりしまくんに夢中で、ふわふわくんには目もくれなくなってしまいます。
ある日、庭で、「ぼくだっていっしょにあそびたい」と訴えるふわふわくんを、アルフレッドは「ぼくはあたらしいとらのおもちゃとあそぶんだ」と、放り投げるのです。すると突然、ふわふわくんは、大きな木に登り、アルフレッドの心配をよそに降りて来ようとしません。アルフレッドの父さん、母さんが長い棒を探しに行きます。その間に、アルフレッドの嘆願と、また友達になるという約束に、ふわふわくんは、地面に飛び降りました。両親が長い棒を持ってきた時、アルフレッド、ふわふわくん、しまくんの仲睦まじい姿を見ます。両親は、どうして高いところに登り、どうやって降りてきたのか、不思議に思います。作者は最後、「どうしてだか、わたしたちはしっていますね!」と結びます。
シーンと聞き入るうめ組のみんなは、途中、アルフレッドに見向きもされないふわふわ君を想い、アルフレッドへの非難とふわふわくんへの同情の気持ちが、ひしひしと伝わってきました。
とてもしっとりと聞き入って、思い出の一冊となりました。