りんごのき
『りんごのき』
エドアルド・ペチシカ ぶん
ヘレナ・ズマトリーコバ― え
うちだりさこ やく
(福音館書店)
小さなマルチンの家の庭に立つりんごの木
冬、裸んぼうの木は、おなかをすかせたうさぎがかじった跡でいっぱい。お父さんは金網を巻きます。
春、りんごの木は、花がいっぱい。蜜蜂が蜜を集めます。お父さんは、虫よけの薬をかけ、
夏にやっと、実が2つなりました。マルチンは、りんごの木に、水をやります。ところが、嵐が来て、りんごを一つもぎとられました。
秋、まっかなりんごを手に入れた、マルチンは、「ら、ら、ら、ら~」と歌いながら、家へ入りました。きっとおやつに
食べるんでしょうね。
庭のりんごの木を見ながら、巡る季節の中で、「どうして?」と、訊ねるマルチンに、優しく答えるお父さんとお母さん。
家族に見守られながら、美味しい恵みをもたらす”りんごの木”
そして、その恵みに大喜びするマルチン。
チェコの素朴であたたかな絵とお話は、しーんと静かに聞き入る
つきぐみのこどもたちにしっとりと届いたように思います。
静かで単純な話だけれど、こどもたちは、
いつもよく聞いてくれます。