162ひきのカマキリたち
11月、4歳のクラスうめぐみさんと楽しんだ一冊。
「162ひきのカマキリたち」
得田之久さく
「かがくのとも」福音館書店2000年5月1日刊
秋も深まってきた頃、幼稚園の庭で見つけたカマキリを大事そうに虫かごに入れて持ち歩く方がいました。
お腹をふくらませためすのカマキリです。
早速20年程前に出版されたこの絵本を読んでみました。
春、カマキリの卵のうから産まれたこどもたちは、何と!!162ひき。
うめぐみのみんなは
” えーっうそ!!そんなにも・・・。”
と驚き、2ページにわたる赤ちゃんカマキリの絵に驚き、
” ほんとうに162ひきこの絵にいるの? ”
と疑います。
数えてみて、やっと納得。
” すげえーっ ”
世に出た産れたばかりのカマキリを待っていたのは・・・苛酷な運命。
てんとうむし、あり、カエルにたった一日で100匹程食べられてしまいました。
生き残ったカマキリたちは何回も脱皮を繰り返しながら大きくなっていきますが、クモや仲間のカマキリに食べられたり、雨に流され、風にとばされ、スズメバチ等におそわれ、春の終りには18ぴき、夏の終りには何と4ひき、秋には生き残ったカマキリはたった1ぴき。
めすのカマキリでした。
ある日おすのカマキリとけっこんし、草の茎にたまごをうみました。
らいねんのはるにはこのらんのうからちいさなカマキリのこどもたちがたくさんうまれてくるでしょう。
作者、得田之久さんは昆虫少年として幼少期を過されたと昔読んだことがありますが、162匹ものカマキリたちを一匹ずつ個性豊かに描き余白をとりながら様々な運命をたどるカマキリたちを丁寧に描いてくれています。
読んだ後にはカマキリに愛しさを感じてしまう程です。是非出会ってみて下さい。