さるのオズワルド

次は、1月、5歳のクラスうみぐみさんのとしょかんの一冊です。

さるのオズワルド
saru
エゴン・マチーセン作
松岡享子訳
1998年3月第1刷 1999年6月第5刷
こぐま社刊

あるところに、いっぴきのちっちゃなつるがいてー
「おっとまちがい」さるがいて、
なまえをオズワルドといった。
・・・に始まるこの絵本、<おっとまちがい>の繰り返し。
その度にうみぐみさんは「えっ!また・・・」と大笑い。

一見、平和そうなオズワルドの住むさる社会。
ところがそこへボスざるのいかけやーーおっとまちがい、いばりや・・・
でっかくて、らんぼうで、みんなをけらいにしていばりちらしているいやなやつ・・・があらわれる。

さるたちはたかいえだに逃げブルブルふるえ、のみとりやまくらにさせられる毎日・・・
ところがある日、オズワルドがさけんだ
「いやだ!」
すると他のさるたちみんな「いやだ」「いやだ」「いやだ」「いやだ」の連発。

いばりやは「ウォーッ」ってうなったものの ひとりぼっち。そして決心して、いう。
「もうこれからはじぶんでなんでもするから、おりてきてくれよう・・・」と。
「いいよ、わかった」と平和が訪れ、「リンゴパーティー」をひらくが一番大きなリンゴはオズワルドがもらった。
いばりやの回心はオズワルドのおかげだったから・・・。

この絵本に出会ったこどもたちは、「ギャハハハ・・・」と大笑いして終ったあと ”かりてく!” と必ずいう。今回もしかり・・・。

エゴン・マチーセンは「あおい目のこねこ」で出会った作家。
デンマークの代表的絵本作家で絵本に関して、常に画家の目で見た「芸術的質」を大切にし、又「本が子どもに真実として受けとめられるためには、(本)の全体が作者にとって深い真実でなければならない」と説き真摯な姿勢で絵本を作り続けた・・・と著者紹介にあります。
とても楽しんだ一冊でした。