ちびフクロウのぼうけん
次は立春の頃、4歳のクラス、うめぐみさんのとしょかんでの一冊。
ちびフクロウのぼうけん
ノーラ・スロイェギン文
ピルッコ・リーサ・スロイェギン絵
みむらみちこ訳
2009年11月福音館書店刊
雪割草の花咲く春の朝、” ねるじかんですよ ” というかあさんの声も聞かず、ちびフクロウは生れてはじめて木を降り、ウサギに近づきますが、ウサギはぴょーんといってしまい、そこへ ” どさっどさっ ” と近づいてきたのは・・・
けむくじゃらのなにか、するどいものがひかってます。
瞬間、うめぐみのなかまは、” くまだ!! ” と叫んでいます。
絶体絶命・・・と思ったことでしょう。
ところが、ちびフクロウはくまの恐ろしさを知らず近づくと・・・大きなくまの手でとばされ、無残にもまっさかさま。
安堵感とちびふくろうの落ちた様(さま)が面白くてうめさんは大笑い。
疲れ果て眠りから覚めたちびフクロウが出会ったのはふわふわしっぽのリス。
” ぼくのうちおしえてよ ” とちびフクロウは頼み、リスを追いますがついていけず悲しみにくれるちびフクロウ・・・
その時、ふわりと隣に座ったのはかあさんフクロウでした。
ちびフウロウは一日のぼうけんを話し、 " ぼくはぴょんととべないし、大きな足もないし、ふわふわしっぽもない ” とふううとなきます。
するとかあさんフクロウは ” フクロウにはつばさがあって、そらをとべるわ ” といって飛び上がるのをみて「ぼくもとびたい!」と羽を動かすちびフクロウは ” ふわり ” と浮び、トウヒの木の我が家へと帰ります。
「ぼうや、りっぱなフクロウになりますよ」とかあさんはいいます。
春はまだ浅い北欧の森をつぶさに感じさせてくれる自然描写がとても美しい絵本です。
ちびフクロウの体験のひとつひとつは、幼い子にとっての想像を越える冒険となって楽しませてくれます。
絶版ですが、ぜひ出会ってみて下さい。