もうどうけんドリーナ
5歳のクラス、うみぐみさんのとしょかんでよんだ一冊です。
もうどうけんドリーナ
土田ヒロミ さく 日紫喜均三 監修
なかのまさたか A・D
かがくのとも166号福音館書店刊 1983年
” もうどうけんしってる? ” と聞くと
” しってるしってる ”
” めのみえないひとをたすける犬でしょ ”
” おしごとしてるのみたことある? ”
” ないよ ”
の声が圧倒的でした。
ドリーナは盲導犬訓練所で産れた7ひきの子犬の一匹でよしお君の家で家族の一員として普通の犬のように可愛がられ、楽しく10ヶ月を過ごした後、いよいよ訓練所に戻されます。
そして盲導犬に向いてるかどうかのテストを受けます。
” ズドーン ” 大きな音をこわがったり、”コト”小さな音を聞き逃さないか、他の犬の挑発にのらないか等のテストはどれも合格、4ヶ月の訓練を終えたドリーナは一人の女の人と対面します。
” ましまさん あなたのいぬですよ。ドリーナとよんでください。 ”
初対面のドリーナはましまさんに前足をかけ、しっぽをふっています。
” ドリーナ!ドリーナ、わたしはましまりえこ。めがみえないの、よろしくね ”
この対面の場面はいつ読んでも「じーん」ときます。
うみさんはドリーナが訓練所でいくつものテストを受けたり、訓練される様子をみて ” すべてごうかく ” と聞いてほっとしたり、ましまさんといっしょになってからどこへいくときも、寄り添って働く姿を心に焼き付けているようでした。
作者土田さんは、” 間島さんのドリーナによせる限りない愛情があってはじめてドリーナはそれにこたえたい、さらにこたえていくことが喜びまでに変っていくという関係に発展していくのです。愛してくれる人間につかえることを喜びとしてとらえることができる利口さを盲導犬は持っています。盲導犬は道具としての白杖ではありません。深い信頼関係に裏うちされた人生の伴走者なのです。 ” と語られています。