わらのうし

5歳のクラスうみぐみさんと5月のとしょかんで読んだ一冊

ウクライナの昔話
わらのうし

waranoushi
内田 莉沙子 文 
ワレンチン ゴルディチューク 絵
1998年9月15日 福音館書店刊

あるところにとても貧乏でさび止めのタール作りと糸紡ぎでなんとか暮しを立てているおじいさんとおばあさんがいました。

おばあさんがおじいさんに「わらでうしをつくって、よこっぱらにタールをぬっとくれ」とたのみます。

思惑通り、タール欲しさに出くわしたくま、おおかみ、きつねが見事タールにくっついてしまい、次、次と穴倉に放り込まれます。

その前でおじいさんはナイフを磨ぎながらひとりごと・・・。

「くまのけがわがとれりゃ・・・あったかなぼうしが・・・」
「おおかみのけがわでぼうしを・・・」
「きつねのけがわでえりまきを・・・」
と、となえるや
” ぎょっ ” と驚く三匹は ” 逃してくれたらこんな贈物を・・・ ” と必死の駆け引きの後やっと逃してもらいます。

そして約束通りたくさんの贈物が届き、二人は幸せに暮した・・・ということです。

うみぐみさんは穴倉の動物たちを尻目におじいさんがナイフ研ぎをする・・・というリアルな場面に ” ぎょっ ” と驚き、三匹の運命に悲愴感いっぱい案じていただけに幸せに終る結末にほっと安堵している様子でした。

ウクライナの民族色が色濃く出ている大型の絵本ですが、今は絶版です。・・・とても残念。