育ててきた かいこさんを、これからどうするのか。
子どもたちの話し合いの様子です。
(数日にわたった話し合いのほんの一部ですが、子どもたちの想いが伝わりましたら幸いです。)
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「やっぱり、煮るのは かわいそうだよ」
「ガになるまで 育ててあげたいよ」
「でも ガになったら たまごを500個も うむんだよ?」
「煮る子と 煮ない子、はんぶんこにしたら どう?」
「選ばれた子だけ煮るのは かわいそう」
「わたし、まよってるんだ。本当は煮たくないけど、卵が多すぎるし・・・」
「育てられないから 煮ちゃうなんて、そんなのだめだよ!!」
「世界中の人に渡して 育ててもらったら?」
「でも!知らない人に渡したら、勝手に煮て、糸とか着物とかにしちゃうかもしれないよ」
「うみそらさんが 預かったんだから、
うみそらさんで どうするか考えなきゃいけないんじゃない?」
「わたし、煮たほうがいいんじゃないかって思うよ。
そうすれば 糸にして、おようふくにして のこしてあげられるから」
「ずっと そばに居てあげられるね」
「あー!かいこさんのこと、ずっと抱っこしてるみたいだね!」
「おにんぎょうに したらどうかな・・・?」
絹で作られたネクタイや風呂敷を家から持ってきてくれた仲間もいて、かいこさんの糸からつくられた、絹の良さも感じていきました。
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糸にして、そばに居られるようにしたら・・・という想いもありながら、
愛おしんで育ててきた自分たちの手でかいこさんを煮てしまうことには、そう簡単に前向きにはなれません。何日も悩み続けていた子どもたちでした。
そんな中で、子どもたちの心を動かしたのは・・・1冊の本でした。
スーホという少年が、ある日出逢った白馬を、大事に大事に育てていたのですが、
村の とのさまと家来によって殺されてしまい、白馬はスーホの腕の中で、息絶えてしまいます。
悲しみと悔しさに暮れるスーホは、ある日 白馬の夢を見たのでした。
「そんなに、かなしまないでください。
それより、わたしのほねや、かわや、すじや けを使って、がっきを作ってください。そうすれば、わたしはいつまでも、あなたのそばにいられます。あなたを、なぐさめてあげられます。」
白馬のこの言葉を聞いて、スーホは白馬の骨や皮などを使って、馬頭琴という楽器を作ったのでした。
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「・・・これ、かいこさんも 同じ気持ちなのかな」
「そうしたら、やっぱり おにんぎょう 作ってあげたいね」
「これで 劇をしようよ!」
簡単に、いい方法が見つかる話し合いではありませんでしたが、預かった責任を感じ、仲間と話し合い、”かいこさんのために”と、苦しい気持ちも乗り越え、ひとつの答えに辿り着いたのでした。
今週末、7月27日(土)は、第1回入園説明会です。
これまでお伝えしてきた1学期のかいこさんとの生活を、ブログでお伝えしきれなかったことも含め、お話しできたらと思っております。
ぜひいらしてください。お待ちしております。