『天の火をぬすんだウサギ』の生活が始まって、1ヶ月-。
自分のなりたいものを選び、それぞれの仲間に分かれての生活、
まずは、そのものを知るところから、始まりました。

ウサギは、どんな風に跳ねているのか?
カラスは、どう飛ぶのか?
アライグマは、なんで洗い屋さんをするのか・・・?

広いホールに行って、実際に動いてみたり、
図書館に行って絵本や図鑑で調べてみたり、
しょうぶ公園にまで、足を運ぶ仲間の姿もありました。

そうして、調べていく中で・・・
カラスは、卵で生まれること。
シカは、時速55キロで走ること。
シチメンチョウは、「ごぶる、ごぶる」と、なくこと。

などを知りました。

知ることで、ますますその仲間への想いが増していき、生活を深めていきました。

そうして、先日、初めてしょうぶ公園で、『天の火をぬすんだウサギ』をしました。

(まだ、身に着けるものは、つくっている途中の方もいますが、みんな気持ちは、すっかりそのものに成り入ってます。)

『天の火をぬすんだウサギ』
ジョアンナ・トゥロートン  山口 文生訳

IMG_0760むかし、この地上には、火がなくて、どこもかしこも、さむかった。
「さむいねー。」

IMG_0761「さむいねー。」

「だれが、火をとってくる?」

IMG_0763「いちばんかしこいのは、ウサギ。いたずらにかけては、おうさまだ。」

ウサギは、でかけた。天の人のすむ、山に、天の火とりに・・・

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ここは、天の人のすむ山。

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IMG_0766[1]「こんにちは、天の人」
「あたらしいおどりを、おしえてあげにきましたよ。」

IMG_0768「ウサギは、おどりをおしえた!」
「ウサギは、たき火のまわりをぐるぐるまわった。」

「そのとき、ぼおっ!はねかざりに火がついた!
ウサギは、すかさずにげだして、ひっしで、山をかけおりた。」

IMG_0770「だまされた!」
「いたずらウサギめ、火をぬすんだぞ」

IMG_0771「ウサギは、はしり、天の人は、そのあとを、おった。」

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「やがてウサギは、つかれてきた。」
「リス、リス、はねかざりをとってくれ!」

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「しばらくすると、リスもつかれてきた。」

そして、アライグマ・・・

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シチメンチョウへ・・・と、はねかざりは、託されていきました。

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でも、シチメンチョウは、そんなにはやくはしれません。

だいじな火は、もうすこしできえそうだ。

そこへ現れたのは・・・

IMG_0794「わたしのしっぽに、うつしなさい。」
シカのしっぽに、火はうつされた。

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IMG_0798「森よ、森よ、火をかくしておくれ!」

木々は、火をうけとると、森のなかにかくした。

IMG_0804でも、ウサギはしっていた。
二ほんのえだをこすると、そこから、ぽっと火がもえた。
火は、ここにかくされていたのだ。

 

IMG_0807「あったかいね!」
「よかったね!」

このときから、ふゆはあたたかく、よるはあかるく、くらせるようになった。