指折り数えて迎えた 運動会当日。
青空の元、みんなの描いた旗が、きらきらと輝いています。
<ページェント ”スイミー“ >
「ひろい うみの どこかに ちいさなさかなの きょうだいたちが たのしく くらしてた」
「あるひ おそろしい まぐろが おなかをすかせて すごいはやさで ミサイルみたいに つっこんできた」
「ひとくちで まぐろは ちいさな あかい さかなたちを いっぴき のこらず のみこんだ」
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「にげたのは スイミーだけ・・・」
「スイミーは およいだ。くらい うみの そこを。
こわかった。さびしかった。とても かなしかった」
「けれど うみには すばらしいものが たくさん あった」
「みたこともない さかなたち。みえない いとで ひっぱられている」
「ドロップみたいな いわから はえている こんぶや わかめのはやし」
「うなぎ。かおを みるころには しっぽを わすれているほど ながい」
「そして かぜに ゆれる ももいろの やしのきみたいな いそぎんちゃく」
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「そのとき いわかげに スイミーはみつけた。スイミーのと そっくりの ちいさな さかなのきょうだいたち」
『でてこいよ。いっしょにおよごう』
『だめだよ。おおきなさかなに たべられてしまうよ』
『いつまでも そこに じっとしているわけには いかないよ。 なんとか かんがえなくちゃ』
「スイミーは かんがえた。いろいろ かんがえた。うんと かんがえた」
「それから とつぜん スイミーは さけんだ」
『そうだ。みんないっしょに およぐんだ。うみで いちばん おおきな さかなのふりして』
「スイミーは おしえた。けっして はなればなれに ならないこと。みんな もちばを まもること。」
「みんなが いっぴきの おおきな さかなみたいに およげるように なったとき スイミーはいった」
『ぼくが めに なろう』
「あさの つめたい みずのなかを。
ひるの かがやく ひかりのなかを。
みんなは およぎ おおきなさかなを おいだした」