「紙好き工房 空と海」の方々が、幼稚園に来て下さった日のことーーー。
うみぐみ(5歳のクラス)のお部屋に準備された 道具や材料に目を輝かせ、わくわくした気持ちでいっぱいの子どもたち。
早速、コウゾの木を見せていただきました。

「くわのきのなかまだね!」「えほんにかいてあったよ!」

「よく知っているね。この木から紙を作ることができるんだ!」

「紙には、いろいろな種類があるよ。」
そして、実際に紙づくりの工程を1つずつ、挑戦してみることに・・・!
(1)木の皮を剥く

「へらで皮を削ってみよう!皮を剥くときは、なるべく大きく剥こうね!」

「むけたよ~!」「できた~!」

「つるつるしてるね!」


「せんいの かたまり、みえてきた!」
(2)木の皮を叩く


「たくさん叩くと段々紙に近づいてくるよ。そーっとそーっと伸ばしても、それだけで紙になるんだ。」

「ひろがってきたよー!」「せんいだ~!」
(3)繊維を取る

「叩いた繊維を細かくしてみよう!昔の人は細長い繊維をねじって、ひもを作っていたんだよ。」


「ほそーい せんいが とれたよ!」

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◎「ねり」について・・・
「紙づくりでは、繊維の他に何が必要か知っているかな?」
「ねり!!!」「えほんにかいてあったよ~!」
「そうだね。ねりは、トロロアオイやオクラで作られていているよ。今日は、魔法の粉を使って、ねりを作ってきたんだ。」

「さわってみた~い!」「ぬるぬるしてる~!」
「きもちいいね!」「なっとうみたいだね!」
「ねりがあると、どうしていいんだと思う?」
「うーん・・・?」
そこで、ねり入りの舟水と、ねりなしの舟水を比べてみることに・・・!

「ねりが はいっているのは、おそく おちてる!」
「はやさが ちがうね!」
「そう!よく絡ませることで、丈夫な紙ができるんだよ。」
(4)紙すき

「まずは、よーくかき混ぜてね!すくって揺するよ。」
「わあ、すごい!」 「おちるの、おそいね!」

すき枠にできたばかりの紙を見て、「かみのあかちゃんだ~!」と大喜び!




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「いろの ついた かみは、どうやって つくれますか?」という子どもたちの質問を事前にお伝えしていたところ、色付きの紙づくりも体験させていただきました。





いろんな色の個性あふれる和紙が出来上がりましたね!
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そして、最後に「紙好き工房 空と海」の方が伝えて下さった大切なこと・・・。
「紙は水に溶かすとまた紙にできるんだ。何回も使えるんだよ。ぽいっと捨ててそれでおしまいじゃないいんだ。昔の人は、1枚の紙を何回も何回も使っていたんだよ。そうやって使わないと、地球の森や植物がなくなってしまうんだ。きれいな空気を作る木で紙はできている。だから、紙を大切にしてほしいんだ。これが今日、みんなに1番伝えたかったことだよ。」
長年、紙づくりに携わっている方からの言葉は、子どもたちの心にもすっと入ったようで、力強くうなずく姿がありました。
お忙しい中、朝早くから幼稚園に足を運び、時間を作って下さった「紙好き工房 空と海」の方々には、心から感謝の気持ちでいっぱいです。
「子どもたちの興味津々な表情が印象的でした。」とおっしゃってくださったのですが、それは、「紙好き工房 空と海」の方々が、子どもたちの言葉をたくさん拾い、まっすぐに向き合ってくださったこその姿だったと思います。
紙づくりを実際に見たり、自分で挑戦してみることで、イメージが膨らんだ方も多く、子どもたち1人ひとりが気持ちを向けた ひとときを過ごせたように感じています。
「もっともっと かみのこと しりたくなったよ!」
これからも、うみぐみの仲間たちと 紙づくりの生活を更に深めていきたいと思います。