おにいさん、おねえさんからのお誘いを受けて、つきぐみのこどものむらの生活が始まりました。

「いつ、するの?れすとらん!あした??」
「たのしみだなあ。」
「でも、まだ、なにもないよ!!」

「どうしようか・・・」

「そばつくりたーい!」
「ハンバーグ!!」

「にじいろの・・・」

「つきぐみにしかつくれないとくべつなものがつくりたいな!」

クラスの仲間で、毎日どんなものがいいか考えている時、ある1冊の絵本に出会いました。

『めっきらもっきらどおんどん』(こどものとも)

主人公のかんたが不思議な世界に迷い込むように、絵本の中に吸い込まれていく子どもたち。こどもたちは、この絵本が大好きになり、何度も楽しみました。
すると、絵本に出てくるおたからまんちんのすいしょうだまをみて、ある方が、
「このすいしょうだまみたいな、いろんないろのあめだまつくりたい。」
「いいねー!!」
「いろんなあじがするんだよ!」
ということで、みんなですいしょうあめだまを作り始めました。
初めて、“張り子” や、“きょうけち染め” という染め方にも出会いました。

張り子とは、丸く膨らませた風船に、水で濡らした新聞紙を貼り、その上から、のりのついた新聞紙を何度も重ねていき、最後に、きょうけち染めで染めた、和紙を貼っていきます。
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「このあめなめたら、ほっぺたおとしちゃうね!」
「おきゃくさん、まだかなあ?」
「れすとらん、いつする?」

たくさんの工程を経て、こどもたちの想いがたくさん詰まった、おいしいものが出来上がりました。

一つのごちそうができると、見えてきたのでしょう、どんなものが作りたいのか、自分の考えたことや想いを、仲間に伝える姿が増えてきました。

こんなふうにして、一つひとつ、みんなで話し合い、一から作っていきました。

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いくつかのごちそうが出来上がってきたある日のお集まりでのこと・・・。
れすとらんのお名前を考えることになりました。
いろんな名前が出る中で、「めっきらもっきられすとらんはどう?」と声が上がると、絵本の中でかんたが歌っていた めちゃくちゃの歌が、みんなから湧き上がりました。

「♪ちんぷく まんぷく あっぺらこの きんぴらこ じょんがらぴこたこ めっきらもっきら どおんどん・・・れすとらん??」

『あっ、いいねー!!』

「このうたを、れすとらんのなまえにしようよ!」

「そしたら、いりぐちのところに、きのあなをつくって、そこからなかにはいれるようにたら?」

「あ!じゃあ、そのときに、おきゃくさんにうたってから、はいってもらうことにしようよ!」

「きのあなはこどもがはいれるくらいのあなにしよう!」

「こどものむらだもんねっ!」

言葉にはしないけれど、こどもたち一人ひとりが、話し合いの楽しさを感じているという実感がありました。

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こうして、何もないところから一つ一つ話し合って、創ってきた子どものむらのれすとらん。

初めてのこどものむら、初めてのれすとらんを創る生活。
何もわからない中でも、こどもたちが生き生きと輝いて過ごしていたのは、こどもが本来持っている、楽しめる力 なのでしょう。そして、それは、決められたことが何もない、自由な中でこそ発揮できるのだと、思います。IMG_4279