1.出会い
4月のある日、うみそらのこどもたちに、お届け物が来ました。それは、たくさんの小さい粒のようなものでした。
「なんだろう・・・」
「ごまかなあ?」
「いちごのたねみたい!」
数日経つと、一つの粒からうにょっと小さな体が出てきて、
動き始めました。
その粒は、卵だったのです。
「たねじゃなくて、ミミズだったのか-」
「ほかのこたちも、はやくうまれないかなぁ?」
「きいちゃんにも、さくらみせてあげよう!」
何の生き物かわからないけど、呼びかけたくて、
こどもたちは、すぐに名前をつけました。
生まれてきてくれたことが、嬉しくてたまりませんでした。
数日経って、お家でお母さんと調べてきてくれた方が、
「かいこさんっていうんだよ!」
と、教えてくれました。
「かいこさんってなんだろう??」
「なにをたべるんだろう???」
疑問だらけの毎日が、始まりました。
2.桑の葉採り遠足
「きいちゃん、おなかすいたよね?」
「かいこさんって、くわのはっぱをたべるんだって!」
「くわのはって、どれだろう??」
「これがくわのはっぱですよ!」
優子先生が、幼稚園にある桑の木を教えてくれました。
早速、葉っぱを取って、かいこさんにあげましたが、
幼稚園の1本の桑の木だけでは、
すぐに葉っぱは足りなくなってしまいました。
最初は、どの葉っぱが、桑の葉なのか分からず、
図鑑を片手に桑の葉を探しました。
「これかなあ?」
桑の木が生えてる場所がわかってからは、
毎日、桑の葉を取りに、遠足に行きました。
「たくさんもってかえらないと、
すぐに、たべちゃうんだよね!」
3.うんちそうじ
人間と同じで、かいこさんもうんちをします。
しかも、たくさん!!
うんちの掃除も、毎日欠かさずしなくてはなりません。
かいこさんが愛おしくてたまらない、こどもたち。
お部屋の掃除も、毎日、仲間で楽しんでしました。
お世話することで、ますます愛情も増してくるようです。
4.愛おしいかいこさん
毎日、毎日、桑の葉をむしゃむしゃと食べるかいこさんは、
ごま粒くらいの大きさから、大人の人差し指ほどになりました。
「これから、どうなっていくんだろう??」
子どもたちの中に、こんな疑問が浮かび上がりました。
「へびみたいになっちゃうのかなあ?」
「ちょうちょになるよ!」
さて、これから、どうなっていくんでしょう・・・その2へ