常盤平幼稚園

子どもの図書館

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想像の世界の入口

常盤平幼稚園には子供のための図書館があります。
図書館の扉は、子どもを想像の世界へと招き入れる扉です。
そこで味わうお話の醍醐味は、クラスの仲間の共有財産となります。
子どもは一人残らずお話が大好きです。
幼い子どもにとって、耳から入る心地よい言葉は大切です。
その言葉に魅せられながら
絵本の世界を旅することは、どんなに楽しいことでしょう。

クラスのお部屋とは、ちょっと違う不思議な空間。
それが子どもの図書館です。

子どもたちと絵本

この園の子どもたちの生活は、絵本なくしては始まりません。
朝、みんなが集まれば絵本。帰りのさようならの前に絵本。
そして、週に1回、クラスごとに入る図書館では、 図書館の専任が、その季節や、クラスの子どもたちに合わせて、 今、出会わせたい絵本を選んで、子どもたちに読んでいます。

1日に2冊以上、1週間で10冊以上、1か月で平均50冊、1年にしたら、何百冊・・・
卒業までの3年だと・・・。
もちろん、読んだ本の数ではありません。
ただ、子どもたちは、幼稚園の3年間の生活の中で、 こんなにもたくさんの絵本に出会っているのです。
その、毎日の積み重ねの大きさを感じて頂ければ。

このブログでは、そんな日々の子どもたちと絵本との関わり、 様子、楽しんでいる絵本など、ご紹介していきます。

ざりがにのおうさま まっかちん

2023年07月24日

最後には7月の5歳のクラスうみぐみさんのとしょかんの一冊です。

ざりがにのおうさま まっかちん

zariganinoosama
大友 康夫 さく・え
1991年10月福音館書店刊

はちのすほいくえんの年中クラスはのぞみをいれて6人。
先生はえっちゃんです。

こどもたちはざりがにのことをまっかちんとよんで、ぬまでまっかちんづりを楽しんでいます。

クラスのなかまはまだ一匹もつったことのないのぞみのために協力しきりです。

ビニールプールでのぞみに自信を持たせ、いよいよぬまでのまっかちんづりです。
みんなのぞみを応援します。

” おうさまをつるよ ” と張り切ったとき、空ではいなびかりが。
そしてかみなりがごろごろ・・・。
「かえろ!」と皆言いますが、その時のぞみのつりいとが ” ぐぐぐーい ” とひっぱられ、えっちゃんはじめ、なかまみんなが ” やれひけ、それひけ ” とひっぱるとつりあげたつぼの中からぞろぞろ、ぞろぞろ、ぞろぞろ、ぞろぞろ・・・最後に出てきたのは
「まっかちんのおうさまだ!」
めでたしめでたし。

ページ数が111ページもある童話の本ですが、大友康夫さんの素朴な絵とザリガニ釣りがストーリーというところにうみぐみさんははまり、とっても楽しんだ一冊でした。

どのクラスの子どもたちも絵本が大好き。夏休み・ご家庭で思う存分お楽しみください。

こんとあき

2023年07月24日

次は4歳のクラスうめぐみさんのとしょかんの一冊。

こんとあき

kontoaki
林 明子 さく
1989年6月30日刊
2020年5月第107刷
福音館書店刊

あかちゃんのおもりのため、砂丘町からきたきつねのこん。
あかちゃんの「あき」はどんどん大きくなりましたが、こんはだんだんふるくなり、腕がほころびてしまいました。
おばあちゃんに繕ってもらうため、こんとあきは汽車に乗ります。

ところが、お弁当を買いに出たこんがあわてて飛び乗りしっぽをドアにはさまれてしまうのですが、しゃしょうさんが包帯を巻いてくれます。

砂丘町についたこんとあきは砂の上を歩いているうち、突然あらわれたいぬに「ぱく!」とくわえられ姿を消してしまったり、道中いくつもの困難にあいますが、無事、おばあちゃんに迎えられます。

こんはあちこち繕ってもらい、つぶれたしっぽもお風呂でもとどうり。
できたてのようなきつねとなり、うちへかえりました。よかった!

この絵本を手にとった時から
” しってる ”
” その本よんだことある ”
という声もありましたが、読み始めると聞き入って、とても楽しみました。

この絵本には隠し絵がたくさんあります。
手にした時、楽しんでみて下さい。

2019年に卒業されたお母さまたちが今、幼稚園で人気の「こん」をプレゼントして下さいました。リュックサックにお弁当まで。何と心のこもった贈物でしょう・・・。

およぐ

2023年07月24日

来週からプール・・・の3歳のクラスつきぐみさんのとしょかんの一冊。

およぐ

oyogu
なかの ひろたか さく かがくのとも113号
1978年8月1日福音館書店刊

いぬもねこもたくさんのどうぶつ みんないぬかきおよぎ
でもなんでおよげるのだろう・・・。それはからがみずにうくからだ・・・と始まるのですが、
先ず水になれることから・・・。
” かおをみずにつけてみよう。 ”
” つぎはみずのかけっこをしよう ”
ユーモアいっぱいのイラストにつられて最初は少し不安気にみていた方たちもどんどんおよげるような気持ちになったのか、この絵本をよんだあと、自信いっぱいとしょかんをあとにしました。

いたずらおばけ

2023年07月21日

次は6月の終り 5歳のクラスうみぐみさんのとしょかんの一冊。

いたずらおばけ

itazuraobake
イギリス民話
瀬田 貞二 再話 和田 義三 画
1978年2月 こどものとも刊
2005年2月 特製版 福音館書店

むかしとても貧乏でしたがほがらかなおばあさんが道でつぼをみつけると、中に金貨がぎっしり。
運ぶうち夢がふくらみます。

ところが振り返るといつの間にやら金のつぼは銀の塊となっていました。
今度は銀の塊をどう使おうかと思案して振り向くや何と!!てつころがあるばかり・・・。

” この方が幸せ 小銭に変えられる・・・ ”
と歩くうち、てつころは石に変っていて、
” よかった。きどをとめるいしがほしかったところ・・・ ”
と結んだショールをほどこうとした途端、
” ぎゃあ ”
といっていしはとびあがり、ぴょんぴょんはねたり、きーきーいったり、けらけらわらっていたずらぼうずのようにあばれてにげていきました。

おばあさんはそれをみて、笑い出し、” なんてしあわせなんだろう いたずらおばけをこのめでみられるなんて ” とくすくす笑って、ひとばんすごしましたとさ。

最初に題名を伝えたときから、どんなおばけが出るのか・・・心待ちにしていたうみぐみさん、おばけが去っていく姿ににんまりでした。

わたし

2023年07月21日

次は5歳のクラス うめぐみさんと6月のとしょかんでの一冊です。

わたし

watashi
谷川 俊太郎 ぶん 長 新太 え
1976年10月かがくのとも刊
1981年9月かがくのとも傑作集 福音館書店

わたし おとこのこからみるとおんなのこ
あかちゃんからみるとおねえちゃん
おにいちゃんからみるといもうと
おかあさんからみるとむすめのみちこ
おとうさんからみてもむすめのみちこ
おばあちゃんから、おじさんから、おともだちから・・・と続き、
となりのおばさん、いぬのごろう、きりん、あり、うちゅうじんと延々と続きます。

うめぐみさんは耳から入ることばと長新太さんのユーモアいっぱいの絵とを結びつけながら「うん うん・・・」とうなずきながら楽しんでいる様子。

「わたし」という個人と周囲との関係を考えるのもひとつの科学なんだ・・・と改めて考えさせられた一冊です。

一度出会ってみて下さい。

みんなうんち

2023年07月21日

次は6月の3歳のクラスつきぐみさんのとしょかんでの一冊です。

みんなうんち

minnaunnchi
五味 太郎 さく
1981年2月2日
かがくのとも傑作集ライブラリー版

つきぐみさんに題名をよんだだけで皆大笑い。・・・
さかなもうんち とりもうんち むしもうんち
いろんなどうぶつ いろんなうんち いろんなかたち
いろんないろ いろんなにおい・・・と耳からことばが入っていくと同時にいろんなどうぶつのおしり
オンパレードの下にはいろんなうんちが勢ぞろい。
” へびのおしりはどこ? ”
” くじらのうんちはどんなの? ”
の問いには ” ここ ” とか ” あそこ ” とかあちらこちらからたくさんの声があがります。

ページいっぱいにちらばるうさぎの ” あちらこちらでうんち ” には ” ひゃあー ” の悲鳴が・・・。
子どもはそもそも、自分のうんちにはとても愛着をもっていますが最後は ” いきものはたべるからみんなうんちをするんだね ” のひとことに ” うんうん ” とうなずき、とても楽しんだ一冊でした。

かがくのとも傑作集として海外にも拡く親しまれている・・・と聞きます。ご家庭でも楽しんでみて下さい。

よかったね ネッドくん

2023年07月21日

次は5月の終り、4歳のクラスうめぐみさんのとしょかんの一冊。

よかったね ネッドくん

yokattanenedokun
チャーリップ ぶん・え
やぎた よりこ やく
1969年8月偕成社刊(世界の新しい絵本)

ある日ネッドくんに「びっくりパーティにいらっしゃい。」というてがみがきた。ところがパーティ先は遠い遠い田舎だった。

” よかった!! ”
” ともだち、ひこうきかしてくれて ”
” でもたいへん ひこうきがとちゅうでばくはつ ”
” よかった ひこうきにパラシュートがあって ”
・・・と幸運と悪運を繰り返すネッドくん。

その度にうめぐみのなかまは深刻になったり、ほっと胸をなでおろしたり・・・とハラハラドキドキと読みすすむうち、想像が先廻りして ” でもたいへん ” というと、
” あ!!わかった こうしてああしてたすかるんだよ・・・ ”
等つぶやきが聞こえてきたりします。
” えーっ ”
” よかった!! ”
と繰り返し、最後、幸運にも顔を出したところは・・・
ネッド君の誕生日を祝うパーティ会場だった。めでたしめでたし。誕生日ケーキのローソクの数は11本。ネッド君は11才になったのでした。
この絵本は子どもの図書館で大人気の絵本でかなりの貫禄。1964年にアメリカで出版されるや子どもたちの爆発的な人気をよんだ・・・と解説にあります。

わらのうし

2023年07月21日

5歳のクラスうみぐみさんと5月のとしょかんで読んだ一冊

ウクライナの昔話
わらのうし

waranoushi
内田 莉沙子 文 
ワレンチン ゴルディチューク 絵
1998年9月15日 福音館書店刊

あるところにとても貧乏でさび止めのタール作りと糸紡ぎでなんとか暮しを立てているおじいさんとおばあさんがいました。

おばあさんがおじいさんに「わらでうしをつくって、よこっぱらにタールをぬっとくれ」とたのみます。

思惑通り、タール欲しさに出くわしたくま、おおかみ、きつねが見事タールにくっついてしまい、次、次と穴倉に放り込まれます。

その前でおじいさんはナイフを磨ぎながらひとりごと・・・。

「くまのけがわがとれりゃ・・・あったかなぼうしが・・・」
「おおかみのけがわでぼうしを・・・」
「きつねのけがわでえりまきを・・・」
と、となえるや
” ぎょっ ” と驚く三匹は ” 逃してくれたらこんな贈物を・・・ ” と必死の駆け引きの後やっと逃してもらいます。

そして約束通りたくさんの贈物が届き、二人は幸せに暮した・・・ということです。

うみぐみさんは穴倉の動物たちを尻目におじいさんがナイフ研ぎをする・・・というリアルな場面に ” ぎょっ ” と驚き、三匹の運命に悲愴感いっぱい案じていただけに幸せに終る結末にほっと安堵している様子でした。

ウクライナの民族色が色濃く出ている大型の絵本ですが、今は絶版です。・・・とても残念。

かさ かしてあげる

2023年07月20日

〜1学期を終えて〜
春、新緑の美しい季節から、緑濃い夏へと季節が移ろう中、毎日、外庭はどろんこ、砂遊び、虫さがしや鬼ごっこ等々、大賑わい。子どものとしょかんでも「どろんこ」「みず」(長谷川摂子 文/英伸三 写真 福音館)や「どろだんご」(たなか よしゆき 文/のさか ゆうさく 絵 福音館書店)等、絵本の中でそのまま追体験して楽しむ日々でした。
一学期、子どもたちと楽しんだ絵本の中から数冊ご紹介します。
まず3才のクラス、つきぐみさんの6月、梅雨に入ったばかりのとしょかんの一冊。

かさ かしてあげる

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こいで やすこ さく
1996年6月1日 年少版 こどものとも
2002年4月 福音館の幼児絵本第一刷

ポツリ、ポツリ、大きな雨つぶが・・・。
” かさがないの こまったな ” と八つ手の木の下で雨やどりするなっちゃんに、 ” かさかしてあげる ” とアリさんはクローバーの葉を・・・
ふきの葉っぱをかえるさんが・・・うさぎさんは葉つきにんじん・・・
たぬきさんはさといもの葉っぱを・・・くまさんは大きな大きなはすの葉を・・・。
” くまさんのかさはおおきくておもい ” と歩きかねている丁度その時、イヌのジョンが届けてくれたのはなっちゃんの赤いかさ。
あめのひはかさのぎょうれつ。かさのないこ、いませんか?
つきぐみさんは、それぞれちがった葉っぱをもって登場するやさしいいきものたちに親しさいっぱいの面持で見入っていました。とても楽しんだ一冊でした。

おじさんのつえ

2023年04月07日

お正月開け、雪の予報もあり、少し期待しましたが、残念ながら銀世界は夢となりました。でも子どものとしょかんには、冬ならではの、雪や氷にまつわる本も並び、むらづくりに励む日々の中、大好きな本、よみたかった本をクラスのなかまと思いっきり楽しみました。その中の何冊かをご紹介します。

先ずは3学期のトップバッター 3歳のクラス、つきぐみさんのとしょかんの一冊。

おじさんのつえ
ojisannotue
五味太郎 作・絵
1977年8月10日
第一刷 岩崎書店刊

長マントに帽子姿のおじさんが、ぴんくとおれんじまざりのながいものをつかって、次から次へと楽しんでいるのをみて、小さな男の子は
”ねえ、おじさん、それなあに つえなの?”
”でんわなの?”
”ケーブルカーなの?”
”すいどうなの?”
と聞きまくる・・・がおじさんは答えず、笛を吹いたり、花火をあげたり、星空をみたりしたあげく、飄々つえをついて姿を消す。
つきぐみさんは次から次へと魅力いっぱいの世界を展開するおじさんを只々追いながら、存分に楽しんだのでした。
五味太郎さんらしい美しい色彩とユーモアあふれる絵本です。

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