うみぐみの仲間たちは、自分の身体や身近なものを使って、音探しを楽しんでいます。

その きかっけとなった絵本が、『くさぶえあそび』(井上大成・ぶん/中田彩郁・え/かがくのとも 2024年4月号)です。

「これなら、くさぶえできるかな?」とある女の方の一言を皮切りに、良い音が鳴る葉っぱ探しに駆け出す子どもたちの姿がありました。

「この はっぱのかたち、 にてるからできるんじゃない?」

「この はっぱ 、どう?」

「いいはっぱ さがしてみようよ!」

「おうちに たくさんあるよ!」

「えほんには たんぽぽでもできる ってかいてあるよ!」

「かねがさくこうえんには、 きれいなのあるよ!」

―--と外庭を駆け回って良い音の鳴る葉っぱを探しては、「これ ふけそう!」「このはっぱじゃ だめだ~」などと

試行錯誤する姿がありました。

それを見ていた一人の男の方が、『くさ だって いのち あるんだよ。とったら、かわいそうじゃない?』と一言。

そのことについて、おあつまりのときに、みんなで話し合いをすることにしました。

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「くさには いのちがあるよ。とっても いいの??」

「ありがとうってする??」

「くさのおはか つくる??」

「たからものにするのは??」

「・・・。」

たくさんの気持ちが溢れましたが、みんなの納得するものはなかなかでませんでした。

するとーーー

「くさのかわりに かみで ふえ ふいてみるのは どう?」

「でも、ぬれちゃうよ。」

「いっかいで おわっちゃう・・・」

「やぶったり、くしゃくしゃってしても、おとなるよ!」

葉っぱだけでなく、身近にある紙でも音を出せることに気が付きました。

「みんなの周りには音がたくさんあるね!」と子どもたちに声を掛けると、

「ひざをたたいても、おとがきこえるよ!」

「いすがぶつかったときも、おとがするよ!」

「ぶらんこは、ぎこぎこって おとするよね!」と、たくさん声が挙がりました。

そこで、「他にはどんな音が聞こえるかな?」とこちらから問いかけると、

ピタリと声が止み、子どもたちは身の回りにある音に耳を澄ませる姿がありました。

それからというもの、うみぐみさんでは身近にある音を探す楽しさを見出したのか、伝え合う姿がありました。

「おと みつけた!」

「ばけつのなかに いしをいれてふったら、ちょっといいおと した!」

「ねえねえ!すいとうと すいとうが ぶつかったら、おとがなったよ!」

「おうちでも、おとをみつけたんだよ~!」

「どあ のおと~!」

私たちの日常には、たくさんの音で溢れていること、踏む、叩く、ぶつかる、振る、

叩くものの場所によって出る音が違うことー。

普段、何気なく聞いている音でも改めて耳を傾けてみると意外な発見や気づきがあったようで、

様々な音に出会うたびに顔を見合わせ喜ぶ姿がありました。

くさぶえから始まり、子どもたちの生活は広がりつつあります。

私たち大人でも気付かなかったことに気づき、言葉を交わしあう姿も・・・。

そんな 子どもたちの興味の持ったことや気が付いたことを大切にし、関心を更に深めたり、

新たな発見へと繋げていけたらと思います。