常盤平幼稚園

子どもの図書館

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想像の世界の入口

常盤平幼稚園には子供のための図書館があります。
図書館の扉は、子どもを想像の世界へと招き入れる扉です。
そこで味わうお話の醍醐味は、クラスの仲間の共有財産となります。
子どもは一人残らずお話が大好きです。
幼い子どもにとって、耳から入る心地よい言葉は大切です。
その言葉に魅せられながら
絵本の世界を旅することは、どんなに楽しいことでしょう。

クラスのお部屋とは、ちょっと違う不思議な空間。
それが子どもの図書館です。

子どもたちと絵本

この園の子どもたちの生活は、絵本なくしては始まりません。
朝、みんなが集まれば絵本。帰りのさようならの前に絵本。
そして、週に1回、クラスごとに入る図書館では、 図書館の専任が、その季節や、クラスの子どもたちに合わせて、 今、出会わせたい絵本を選んで、子どもたちに読んでいます。

1日に2冊以上、1週間で10冊以上、1か月で平均50冊、1年にしたら、何百冊・・・
卒業までの3年だと・・・。
もちろん、読んだ本の数ではありません。
ただ、子どもたちは、幼稚園の3年間の生活の中で、 こんなにもたくさんの絵本に出会っているのです。
その、毎日の積み重ねの大きさを感じて頂ければ。

このブログでは、そんな日々の子どもたちと絵本との関わり、 様子、楽しんでいる絵本など、ご紹介していきます。

せかいいち うつくしい ぼくの村

2022年08月12日

さて最後は7月の最初のとしょかんの一冊です。

せかいいち うつくしい ぼくの村

絵本の画像「せかいいち うつくしい ぼくの村」
小林豊 さく・え
ポプラ社刊
1995年12月第一刷 2001年12月第七刷

このお話の舞台はアフガニスタンのパグマン村、春にはすもも、なし、さくらんぼ、あんずの花で満開。
なついよいよ収穫です。

主人公ヤモはせんそうにいっている兄さんの変りにロバのポンバーに荷を積み、お父さんと町へくだものを売りに出かけます。

町はとてもにぎやかでお父さんと離れたヤモの胸はドキドキです。
最初は売れなかったサクランボはそのうちとぶように売れます。

「パグマンのちかくでくだものをつくってたんだ。なつかしいな。」と買ってくれたおじさんは戦争で片足をなくしていました。
ヤモはにいさんの顔を思い浮べます。
チャイハナ(食堂)で大人の会話を聞きながらヤモは戦争にいっている兄さんのことが気にかかります。

そんなヤモにとうさんはヤモへのごほうびに
“ あとでびっくりすることがあるよ ” といって、
ひつじの市場で売り上げ全部を使って小羊を一とうかったのです。

家路へ向かうヤモの誇らしげな様子・・・。
「ハルーンにいさん、はやくかえっておいでよ。うちのかぞくがふえたんだよ。」・・・。

はるはまだまだ1ねんちかくもさきです。

このとしのふゆ、村はせんそうではかいされ、いまはもうありません。

この最後のページを読んだとき、シーン、と瞬間沈黙がありました。
子どもたちの胸の中に去来したのはどんな風景だったのでしょう・・・。

作者小林豊さんは
「報道では決して知ることのできないその国の人々の暮しや風景、人の温かさ、全て、その国へいって初めて知るのです。
先ず、私たちは知ることから始めなければなりません。
私は見た通り書きました。
こどもという目は確かなので、こどもといっしょにこの本を見て共感して欲しい」
・・・と。

絵がとても美しく、戦争の悲惨さを一切語っていませんが、心から平和を願っている心情にあふれています。出会っていただけたら嬉しいです。

今年一月に亡くなられた松岡享子先生は
「絵本は平和への道」(母の友の連載)で
『アフガニスタンを舞台にした小林豊の絵本「せいかいいちうつくしいぼくの村」「ぼくの村にサーカスがきた」はニュースで見聞きするのとは違うこの国を見せてくれます。
子どもの本は平和への道です。
子どもたちが絵本の主人公とともに冒険をたのしみながら、物語の背景になっている土地や暮らしを親しいものと感じ、感覚と記憶の中に “ ともだち ” と “ ふるさと ” をたくさんもって “ 違い ” の向こうにある “ 同じ ” を知って大きくなること。
そこに私たちの希望がかかっています・・・』
と語って下さっています。

ねじまきバス

2022年08月12日

次は6月、4歳のクラスうめぐみさんのとしょかんでの一冊。

ねじまきバス
絵本の画像「ねじまきバス」
たむらしげるさく
2013年5月(刊)
こどものとも年中向き

むしくんがみつけたおもちゃのバスはぜんまいじかけ。
ねじをギリギリまいて発車です。
“ ブッブーッ ”
途中、むしくんやもぐらくん、かえるくんにまで
“ のせて ” と頼まれ
“ ねじをまいてください ” ・・・と乗ってもらいますが、
途中こわれた橋をジャンプするやら、
地下トンネルがいきどまりだったりの苦難つづき。

おまけにくまをのせるやバスは
“ ミシミシ ”
“ メリメリ ”
“ パカッ ” と空中分解です。

そして皆でしゅうりを開始。

仕上がったのは何と!!「ねじまきふね」でした。

「しゅっぱつしまーす!」と終ります。

“ ねじを巻く ” なんておもちゃはわかるかな?と思いきや、
うめぐみさんのたのしんだこと、たのしんだこと。

たむらしげるさんの遊び心につられて大冒険大爆笑の旅でした。

ぞうくんのあめふりさんぽ

2022年08月12日

次は3歳のクラスつきぐみさんとの一冊。

ぞうくんのあめふりさんぽ

絵本の画像「ぞうくんのあめふりさんぽ」
なかのひろたか さく・え
2004年4月 こどものとも
福音館書店刊

きょうはあめふり。
ぞうくんはごきげん。
さんぽにでかけます。

おいけのなかのかばくんをさそうと・・・
“ いけのなかならいいよ ” の返事です。

いけのなかをかばくんはぞうくんをのせてさんぽです。
次々出会うわにくん、そしてかめくんもぞうくんがおよげないことをしってせなかにのせてあげますが・・・

バランスがくずれて・・・

“ うわーっ ”

“ あれっ、ぞうくんがうかんだ ”
“ ぞうくんがおよいだ”
“ みんなごきげん ”
“ きょうはあめふり ”

この話の展開につきさんは笑ったこと、笑ったこと。

大もりあがりの一冊でした。年齢を問わず大好きな一冊です。

そしてこの「ぞうくんのあめふりさんぽ」は「ぞうくんのさんぽ」から27年目に出来たのです。

とくべつなよる

2022年08月12日

次は7月、5歳のクラスうみぐみさんのとしょかんの一冊です。

とくべつなよる
絵本の画像「とくべつなよる」
岡島秀治 ぶん 稲田務 え
2009年8月1日刊
ちいさなかがくのとも 89号

幼稚園には虫好きな方が何人もいるけれど、うみさんは特に好きな方がたくさんです。
書架にはいつも虫の本が並びます。
その中の一冊。

“ なつのひ、ちいさなあなからそらをみあげるちいさないきもの・・・ ” とよんだだけで、
“ あ、せみだ ” と叫ぶ声が聞こえてきました。

ちいさないきものがまちにまったとくべつなよる。

そのいきものはあなからはいだしコンクリートの歩道をひらすら歩き大きな木の根元に着くと登り始め、葉の裏にしがみついて動かなくなる。
背中がわれ、真っ白いいきものが・・・。

だんだんのびてくるのは・・・?
“ はねだ。まっしろなせみになった。”

この瞬間の子どもたちの感動は忘れられません。

“ しーん・・・!!”
“ うつくしい!! ”

翌日には白かったせみも色付き
“ じじじ・・・ ” と泣いている。

ぼくとねずみ うみにもぐる

2022年08月12日

次は7月の初め、4歳のクラスうめぐみさんのとしょかんで読んだ一冊。

ぼくとねずみ うみにもぐる

絵本の画像「ぼくとねずみ うみにもぐる」
佐々木マキさく
1996年10月20日
福音館書店刊

海岸でぼくはへんなホースをみつけたら、何と海の中からまるいものが浮んできて中からねずみが・・・。
ねずみはホースの穴に困っていて、ぼくがふさいでやったら、まるいもの・・・せんすいきゅうに誘われていざ海の底へ・・・。

いろんな魚たちがせんすいきゅうに寄ってきた。

その時ウツボがタコのこどもをねらって今にも食べられそう・・・。
「ようしみてろよ」とネズミは奥の手を使ってたちまち撃退。
ところが、ウミウシが窓に張りつき、全面真暗闇。
あせったあげく「ゴトン」せんすいきゅうは海藻の林の中で遭難。
絶体絶命途方にくれていると・・・
せんすいきゅうはぐんぐん上へあがっていく。
“ いったいどうなっちゃったの? ”

何と!!ねずみのかあさんがすごい力でひっぱりあげていたんだ。
“ へんなものこさえてよそのおこさんまでのせて、ほんとにしょうのないこだよ ”
とねずみのかあさんはねずみをひっぱってかえっていった。
“ またねずみとあえたらいいな ”
とぼくも帰りながらおもった。

おやすみクマタくん

2022年08月12日

次は5月の3歳のクラスつきぐみさんのとしょかんでよんだ一冊です。
おやすみクマタくん
絵本の画像「おやすみクマタくん」
カズコ・G・ストーン さく・え
1992年9月年少版こどものとも
福音館書店刊

はとどけいのはとが8回ないて
「クマタくんねんねのじかんですよ」
とママくまさんが声をかけます。
「いやだ、ぼくまだねむくない」
とクマタくん。
「クマタくんがねないとまくらがにげていってしまいますよ」
「どこへ?」
「まくらはよぞらにふんわりうかんでとんでやまのほう、やまばとのこどものベッドになるかもしれません」
「いいよ、ぼくまくらなくてもねむれるの」
なんとかねてもらおうと、
ママはもうふが・・・
パジャマが・・・と、
クマタくんを眠りへと誘いますが、耳をかしません。
ところが・・・
「ベッドがにげてあまのがわにうかんでベッドのおふねになるかもしれません」
のひと言で
「ベッドのおふねにぼくのりたいなあ」
ベッドのおふね、おふねのベッド、ゆらゆらゆれていいきもち。クマタくんはママのお膝にのってぐっすり。
「おやすみクマタくん」眠りへの誘いの本はたくさんありますが、今のつきさんにぴったりで、とても楽しんだ一冊でした。

¿ あつさのせい ?

2022年08月12日

¿ あつさのせい ?

絵本の画像「あつさのせい?」
スズキコージ作
1994年9月15日
福音館書店刊

とってもあついひ、うまのはいどうさんはでんしゃにとびのり、ベンチにぼうしを忘れました。

きつねのとりうちくんはそのぼうしをかぶり、イカした自分の姿にボーッとし、カゴをトイレに忘れ、カゴの中の風呂の道具を見つけたぶたの三吉は銭湯にシャンプーを忘れるのです。

シャンプーを拾ったうしの山口さんはつまづいてキャラメルを落しますが、それを山羊のよしこさんが拾います・・・が・・・ハンカチを落とします。

そのハンカチをくまののぶこさんが拾い、頭にかぶってきつねのとりうちくんとデートにくりだすのですが・・・

途中ぼうしの持主、うまのはいどうさんとすれちがいます。
うまのはいどうさんはそのとき・・・
“ あれはわたしがどこかでなくしたのとよくにているな、いやいやあつさのせいでそうみえたんだ ” とかいしゃへもどりました。

スズキコージさんの個性あふれる絵とあつさのせいなのか、次々登場するうっかりさんのぐるぐる話をえーっ、また・・・とあきれながらとても楽しんだ一冊でした。

みず

2022年08月12日

次は4歳のクラスうめぐみさんの5月のとしょかんで楽しんだ一冊。

みず

絵本の画像「みず」

五味太郎 さく
1981年8月 絵本館刊

おんなのこのめからこぼれる涙・・・「ちいさなみず」に始り、
公園の中、噴きあげるふんすい・・・「おどるみず」
泥んこの中をバシャバシャ・・・「よごすみず」
たらいにシャワー・・・「あらうみず」
じょうろで水やり・・・「そだてるみず」
ジュースにすいか・・・「あまいみず」
はしるとあせがいっぱい・・・「げんきのみず」

みずということばからたくさんの世界を想像し、楽しませてくれる小さな絵本です。

うめぐみさんはページをめくる瞬間 “ 次はどんなみず? ” とわくわく楽しんだ一冊でした。
最後のページの “ おしっこみず ” で笑いながら終りました。
このシリーズには<どろんこ>もあります。
楽しんでみてください。

でてきたよ

2022年08月12日

4月、新しいエプロンを身につけ、子どもの図書館に登場した5歳のクラスうみぐみさん、4歳のクラスうめぐみさんの誇らしげな自信いっぱいの姿に胸がいっぱいになりました。
入園して10日目の初めてのとしょかんに緊張した面持ちで登場した3歳のクラスつきさんも、としょかんのおやくそくをしっかりと聞いた後、しっとり絵本を楽しめたのです。

今学期各クラスで楽しんだ何冊かをご紹介します。先ずつきさん2回目のとしょかんで楽しんだ一冊から。

でてきたよ

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佐々木マキさく
福音館書店 
こどものとも 0.1.2通巻 76号
2021年7月1日刊

大きなコップが登場するや、
“ コップからカバが ”
“ カバのくちから ”
“ カバンがでてきた ” と、
くりかえしながら次々登場する予想外な登場者たちに最初は目をしろくろさせていたつきさん。
” カパンからタコが ” ・・・タコからビンが・・・と続くうち笑いがとまらなくなってきて、最後バナナのなかから
“ おかあさんだ! ”
と登場したおかあさんに最高の笑みと大爆笑でした。

きみなんか だいきらいさ

2022年04月13日

次は4歳のクラス、うめぐみさんと楽しんだ一冊。

絵本の表紙

きみなんか だいきらいさ

ジャニス・メイ・アドリー ぶん
モーリス・センダック え
こだまともこ やく
1975年5月 初版 冨山房刊

こどもにけんかはつきもの。
男の子が二人向き合って ” フン ” ” ヘン ” ・・・と聞こえるような表紙絵を見ただけで ” ケンカ ” とわかってしまい、笑いがおこります。

なかよしだったジェームズとぼく。
でもきょうはちがう。
「ジェームズなんかだいきらいさ・・・と」
ジェームズのいやなこと全てあげつらった挙句、仲良しの時は・・・
あんなことも、こんなことも・・・と思い出してみたりする。
だけど、今日という今日は絶対許せない。
“ようし、ああしてやろう、こうしてやろう・・・ ”
と怒りながら足はジェームズの家へ・・・。

「きみとはぜっこうだ!」
「いいとも!」
「さいならあ!」
「さいならあ!」
・・・と別れたものの・・・

「ねえ、ジェームズ!」
「なんだい?」
「ローラースケートやらない?」
「オッケー!クルクルクッキーはんぶんあげる。」
「ありがとうジェームズ!」

この結末にうめぐみさんはクスクスと笑ってます。
身に覚えがありそうな・・・
そんな楽しい小型の絵本です。

センダックさんの絵がひときわユーモラスで素敵です。出会ってみて下さい。

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