常盤平幼稚園

子どもの図書館

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想像の世界の入口

常盤平幼稚園には子供のための図書館があります。
図書館の扉は、子どもを想像の世界へと招き入れる扉です。
そこで味わうお話の醍醐味は、クラスの仲間の共有財産となります。
子どもは一人残らずお話が大好きです。
幼い子どもにとって、耳から入る心地よい言葉は大切です。
その言葉に魅せられながら
絵本の世界を旅することは、どんなに楽しいことでしょう。

クラスのお部屋とは、ちょっと違う不思議な空間。
それが子どもの図書館です。

子どもたちと絵本

この園の子どもたちの生活は、絵本なくしては始まりません。
朝、みんなが集まれば絵本。帰りのさようならの前に絵本。
そして、週に1回、クラスごとに入る図書館では、 図書館の専任が、その季節や、クラスの子どもたちに合わせて、 今、出会わせたい絵本を選んで、子どもたちに読んでいます。

1日に2冊以上、1週間で10冊以上、1か月で平均50冊、1年にしたら、何百冊・・・
卒業までの3年だと・・・。
もちろん、読んだ本の数ではありません。
ただ、子どもたちは、幼稚園の3年間の生活の中で、 こんなにもたくさんの絵本に出会っているのです。
その、毎日の積み重ねの大きさを感じて頂ければ。

このブログでは、そんな日々の子どもたちと絵本との関わり、 様子、楽しんでいる絵本など、ご紹介していきます。

きみなんか だいきらいさ

2022年04月13日

次は4歳のクラス、うめぐみさんと楽しんだ一冊。

絵本の表紙

きみなんか だいきらいさ

ジャニス・メイ・アドリー ぶん
モーリス・センダック え
こだまともこ やく
1975年5月 初版 冨山房刊

こどもにけんかはつきもの。
男の子が二人向き合って ” フン ” ” ヘン ” ・・・と聞こえるような表紙絵を見ただけで ” ケンカ ” とわかってしまい、笑いがおこります。

なかよしだったジェームズとぼく。
でもきょうはちがう。
「ジェームズなんかだいきらいさ・・・と」
ジェームズのいやなこと全てあげつらった挙句、仲良しの時は・・・
あんなことも、こんなことも・・・と思い出してみたりする。
だけど、今日という今日は絶対許せない。
“ようし、ああしてやろう、こうしてやろう・・・ ”
と怒りながら足はジェームズの家へ・・・。

「きみとはぜっこうだ!」
「いいとも!」
「さいならあ!」
「さいならあ!」
・・・と別れたものの・・・

「ねえ、ジェームズ!」
「なんだい?」
「ローラースケートやらない?」
「オッケー!クルクルクッキーはんぶんあげる。」
「ありがとうジェームズ!」

この結末にうめぐみさんはクスクスと笑ってます。
身に覚えがありそうな・・・
そんな楽しい小型の絵本です。

センダックさんの絵がひときわユーモラスで素敵です。出会ってみて下さい。

鹿よ おれの兄弟よ

2022年04月07日

卒業間近の5歳のクラス、うみぐみの最後のとしょかんで読んだ一冊。

鹿よ おれの兄弟よ

絵本表紙
神沢利子作
G・D・バブリーシン絵
2004年1月20日福音館書店刊

二年間、三年間の園生活の中で虫や花や木やサケの卵等々、たくさんの命と向き合ってきたうみぐみさんにふさわしい一冊です。
シベリアの森でうまれたおれは漁師だ。おれのきるふくは鹿皮、おれのはくくつも鹿皮だ。
どちらも鹿の足の腱を糸にしてぬったものだ。
おれは鹿の肉をくう。それはおれの血、おれの肉となる。
だからおれは鹿だ。
主人公、おれは目を奪われるような美しく紅葉したシベリアの森に流れる川を鹿を求めてのぼる中、幼い日の回想にひたる。
じいさまに抱かれていたおれは今、妻と子を養っている。
そして鹿の気配・・・
息をのみ、みとれ、銃をはなつ、”ドーン”・・・鹿はたおれたよつ足を、天にむけて。

おお、おれの兄弟、この森でうまれそだったりっぱな鹿よ。
おれはひざまづき、小刀で毛皮をはぐ。
おまえのきていたコートをぬがせる。
いっぽんの骨もおらずに解体する。
ありがとう、おれの友、おれの兄弟、おまえを小舟にのせ、わが家へかえることにしよう。

命をもらう、ということへの敬虔さを深く考えさせられる絵本です。
うみぐみさんと共有できてとても幸福でした。

下記の文章は、この絵本が出版された直後、朝日新聞に掲載された記事です。

<五味太郎さんの絵本箱>
朝日新聞記事

かえるとのんだととさん

2022年04月07日

次は3歳のクラス、つきぐみさんのとしょかん、節分の頃読んだ一冊です。

ー日本の昔話ー
かえるとのんだととさん

絵本表紙
日野十成 再話 斎藤隆夫 絵
2004年1月1日こどものとも 2008年1月こどものとも絵本
福音館書店刊

むかし、仲のいい ととさんと、かかさんがいましたが、ある日ととさんの腹がいたくなり、「かかさんやぁ…」というと「おてらのおしょうさまにききなされ」といわれます。

「むしがおるせいじゃ、かえるをのむといいぞ」とおしょうさまにいわれ、かえるをのんだととさんの腹は治るが、腹の中を歩くかえるが気持ちわるくて ” かかさんやあ ” と訴えます。

おしょうさまに聞いては、いわれるとおり、腹の中の厄介者を片付けようと、へび、きじ、リょうしと次々のみこみ、最後に鬼をのみこんだととさんは「おにのつのがはらにぐりぐりささり、いたくてせつなくてならん・・・」と訴えると、おしょうさまはととさんの口に「おにはーそとー」と豆を投げ入れるや鬼はびっくり、
「ややや、こいつはせつぶんのまめだ。」
「たすけてくれえ」
と、ととさんのしりのあなからにげだしたとさ」と終ります。

つきぐみさんはすでにこのお話に出会っていたこともあり、最初から期待いっぱい、ととさんとかかさんの掛け合いや退治のために登場するへび、きじ、漁師の腹の中の様子等々、思いっきり楽しみました。

日野十成さんと斎藤隆夫さんのコンビがとてもいいです。

ちびフクロウのぼうけん

2022年04月07日

次は立春の頃、4歳のクラス、うめぐみさんのとしょかんでの一冊。

ちびフクロウのぼうけん

chibihuuronobouken
ノーラ・スロイェギン文
ピルッコ・リーサ・スロイェギン絵
みむらみちこ訳
2009年11月福音館書店刊

雪割草の花咲く春の朝、” ねるじかんですよ ” というかあさんの声も聞かず、ちびフクロウは生れてはじめて木を降り、ウサギに近づきますが、ウサギはぴょーんといってしまい、そこへ ” どさっどさっ ” と近づいてきたのは・・・
けむくじゃらのなにか、するどいものがひかってます。

瞬間、うめぐみのなかまは、” くまだ!! ” と叫んでいます。
絶体絶命・・・と思ったことでしょう。
ところが、ちびフクロウはくまの恐ろしさを知らず近づくと・・・大きなくまの手でとばされ、無残にもまっさかさま。

安堵感とちびふくろうの落ちた様(さま)が面白くてうめさんは大笑い。

疲れ果て眠りから覚めたちびフクロウが出会ったのはふわふわしっぽのリス。

” ぼくのうちおしえてよ ” とちびフクロウは頼み、リスを追いますがついていけず悲しみにくれるちびフクロウ・・・

その時、ふわりと隣に座ったのはかあさんフクロウでした。

ちびフウロウは一日のぼうけんを話し、 ” ぼくはぴょんととべないし、大きな足もないし、ふわふわしっぽもない ” とふううとなきます。

するとかあさんフクロウは ” フクロウにはつばさがあって、そらをとべるわ ” といって飛び上がるのをみて「ぼくもとびたい!」と羽を動かすちびフクロウは ” ふわり ” と浮び、トウヒの木の我が家へと帰ります。

「ぼうや、りっぱなフクロウになりますよ」とかあさんはいいます。
春はまだ浅い北欧の森をつぶさに感じさせてくれる自然描写がとても美しい絵本です。

ちびフクロウの体験のひとつひとつは、幼い子にとっての想像を越える冒険となって楽しませてくれます。

絶版ですが、ぜひ出会ってみて下さい。

きゅうきゅうばこ

2022年04月07日

次は4歳のクラス、うめぐみさんの3月のとしょかんで出会った一冊。

かがくのとものきゅうきゅうばこ

kyukyubako
やまだまこと ぶん
やぎゅうげんいちろう え
1987年 2月 かがくのとも刊
2017年2月5日新版一刷

もくじの前には「このほんは、きみたちがおかあさんといっしょにけがのてあてをべんきょうしてみるためのほんです。・・・・」
とあります。

やけどに始まって、すりきず、きりきず、とげ等々、子どもの日常でけがはつきもの、ページを開く度に  ”  ぼくね・・・わたしね・・・ ” とそれぞれの体験談を我先に・・・と語るうめさん。

血の止め方ばんそうこうは

ばんそうこうのかたちの絵(ちょうちょみたいな)
こんな形ではるとなおりやすいとか、とげの抜き方、ゆびをドアにはさんだ場合・・・
はなぢ、しゃっくり、たんこぶ、はちにさされた、みみにむしがはいった、めにごみが・・・等々

こどもたちが出会うけがのほとんどを柳生さんの最高に楽しい絵で語られているので、面白くって面白くって、お腹をかかえながらもうめさんのものすごい集中力が伝わってきました。

出会って欲しいかがく絵本です。

只医療も日進月歩で治療法も変ります。この絵本も ” 新版 ” とありますので、求める際には旧版でないものをお奨めします。是非出会ってみて下さい。

ねずみのおいしゃさま

2022年04月06日

次は立春の後の3歳のクラス、つきぐみさんのとしょかんの一冊。

ねずみのおいしゃさま

絵本表紙
なかがわ まさふみ さく
やまわき ゆりこ え
1957年2月初刊、1974年1月 新版 福音館書店刊

夜中、雪が降りつもっている中、ねずみのおいしゃさまはねつを出しているりすのぼうやの往診にスクーターに飛び乗って出たものの、雪だるまになったあげくスクーターも止まってしまいました。

偶然見つけた小さな家を訪ねるとかえる一家が冬眠中。
一夜を過ごさせてもらったねずみのおいしゃさまが、朝、目覚めるといい天気。
スクーターを飛ばしますが、雪で冷やせたおかけでりすのぼうやのねつは下がり、すっかり元気。

ところが、ねずみのおいしゃさまが風邪で熱を出してしまったのです。
今年は何年ぶりかの雪にも出会えたつきさん。
雪がとても身近に感じられた冬。
そんな時にほのぼのと楽しめた一冊でした。

しきぶとんさん          かけぶとんさん               まくらさん

2022年04月06日

つぎは5歳のクラス、うみぐみさんのとしょかんでの一冊。

しきぶとんさん
かけぶとんさん
まくらさん

絵本表紙

高野文子 作・絵
2010年3月 こどものとも年少版
福音館書店刊

幼い子どもにとっての夜、
寝るということへの様々な不安。

この絵本は単純にそんな子どもの夜の不安を取り去ってくれる
” おまじない ” のようで

しきぶとんさん、かけぶとんさん、まくらさんにそれぞれ
” おしっこがでませんように ”
だったり
” てとあしをあたためてください ”
” わるいゆめをみませんように ”
とお頼みしますと・・・

” まかせろまかせろ、おれにまかせろ ”
と不安は全て解消される、やさしい語りかけで答えてくれるのです。

就寝前のおまじないに大人にも子どもにも最高の絵本です。

うみさんは題名を伝えた時には ” 何これ? ” という感じでしたが、優しさとユーモアの混在するこの絵本の魅力にひたっていました。

つめたいあさのおくりもの

2022年04月06日

何年ぶりでしょうか・・・
真っ白な銀世界の美しさを味わえたこの冬。
子どもの図書館には、雪にまつわるお話がたくさん並び、雪の冷たさ、美しさ、楽しさをクラスのなかまと共有できたとしょかんでした。
三学期に出会った数冊をご紹介します。先ず、3歳のクラス、つきぐみさんとの一冊。

絵本表紙

つめたいあさのおくりもの

片山令子 ぶん 片山健 え
福音館書店 ちいさなかがくのとも 190号より 2018年1月刊

朝、幼稚園の庭のあちらこちらに前日の子どもたちの遊んだ後の大切な<かくしもの>がたくさんあります。
お皿に、シャベルに、バケツの中には、ほどよい硬さの泥んこ。
あした・・・の思いが詰まっています。

今年の冬は小さなバケツの表面に氷が張っていたりしました。そんな朝のお話です。

さむいさむい、つめたいつめたーいあさ。
女の子は大きなバケツの表面に模様ができているのをみて
” なんだろう・・・? ”
と手をいれ持ち上げすかしてみると・・・きれい!!

その後、おかあさんとお出かけです。
氷の上をすーっとスケート、氷にのってばりん!!
池にも氷・・・でもその下でこいが泳いでる・・・。
林の中でおちばの入った氷を発見。
” ほら、くびかざり! ” いろんないれものに氷をいれてみたら・・・
いろんな形の容器で氷を作った絵
バンザーイ、つめたーいあさのおくりもの。

 

オオカミのごちそう

2022年02月25日

1月、うめぐみさんのとしょかんで楽しんだ一冊。

ookaminogochiso

オオカミのごちそう
ぶん 木村裕一
え 田島征三
1999年4月 偕成社刊

オオカミがコブタをみつけたのはくぬぎ林のなか。

「まてぇー。おれさまにねらわれたら、もうにげられないぞ。」とコブタを追いまくるオオカミ。
”ひぇ〜”とコブタは必死に逃げまくります。ところがオオカミ、切株につまずき、すってんころりん。
コブタは逃げます。

オオカミの頭の中はコブタでいっぱい。
ズンズン丘を登るオオカミ、うさぎやらシカやらオンドリには目もくれず、妄想の中のコブタは丸々と肥えに肥えていきます。

ヒツジやウシやシチメンチョウ、タヌキには目もくれず、ズンズン登っていくと、しげみに息をひそめてふるえているコブタがいました。

オオカミ、ガバーッと口をあけ、今にものみこもうとしたそのとき、「あれ?まてよ、あのコブタってこんなにちっぽけだったっけ。」と思い浮べるや…「おっともうちょっとで、まちがえてくっちまうところだったぜ…」とコブタを降ろすやズンズンとおかをくだっていきましたとさ。

表紙をみただけで、”何だかおもしろそう…”と、とびついたうめのなかまたち。
ユーモア満載のお話とダイナミックな絵の中でオオカミの妄想と失策に大笑いしながら楽しんだ一冊でした。

この絵本を開いた途端に目に入った、田島征三さんのひと筆書きのサイン、オオカミの絵にも目が釘付けでした。

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ねむりひめ

2022年01月19日

うみぐみさんの11月のとしょかんでの一冊
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「ねむりひめ」
フェリクス・ホフマン え
せたていじ やく
1963年10月 福音館書店刊

「ひとりでもこどもがあったらなあ・・・」と言い暮らす王と后にかえるの予言通り女の子が産れ、立派な運を授けてもらおうと祝いの会に占い女たちを招待しますが、よばれなかった占い女は「ひめは15になったらつむにさされてしぬぞ!」と呪いをかけます。

けれど、最後の占い女に「ひめぎみはしにません。ただ100ねんのあいだ、ぐっすりねむってしまわれるのです。」と呪いを軽くしてもらいます。

予言通り、15になった時、ひめはつむ(糸をまきとる道具)にさされて眠り、城の中のものは皆眠りにつき、いばらが城を覆ってしまいました。

丁度100年たったある日、いばらはひとりでに開き、王子は塔の中で眠るひめをひと目みるなり目を奪われ、王子のきすでひめは100年の眠りから目覚めます。

そして王子とひめの結婚式が世にも華やかにとり行われ、二人は幸せにくらしました。

” 今日はぜったい、このほんをよんでね! ” と書架を見た時からうみぐみさん(特に女の子たち)の熱い期待がありました。

ページを開く度に目にするホフマンさんの絵に目を奪われ、話がすすむ中、面白いところでは、思い切り笑い、あーでもないこーでもない・・・と賑やかにたくさんの言葉がとびかっていました。

” しーん ” と見取れたのは結婚式の場面。

そして最終ページを見るや ” えーっ すっげぇでっかいケーキ ” ” いいなあ ” 等々、歓声があがりました。

この絵本は猫のすきなとても喰いしん坊だったホフマンさんの次女さんのために書かれたとお聞きしました。
父親の愛情いっぱいの絵本です。

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