常盤平幼稚園

子どもの図書館

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想像の世界の入口

常盤平幼稚園には子供のための図書館があります。
図書館の扉は、子どもを想像の世界へと招き入れる扉です。
そこで味わうお話の醍醐味は、クラスの仲間の共有財産となります。
子どもは一人残らずお話が大好きです。
幼い子どもにとって、耳から入る心地よい言葉は大切です。
その言葉に魅せられながら
絵本の世界を旅することは、どんなに楽しいことでしょう。

クラスのお部屋とは、ちょっと違う不思議な空間。
それが子どもの図書館です。

子どもたちと絵本

この園の子どもたちの生活は、絵本なくしては始まりません。
朝、みんなが集まれば絵本。帰りのさようならの前に絵本。
そして、週に1回、クラスごとに入る図書館では、 図書館の専任が、その季節や、クラスの子どもたちに合わせて、 今、出会わせたい絵本を選んで、子どもたちに読んでいます。

1日に2冊以上、1週間で10冊以上、1か月で平均50冊、1年にしたら、何百冊・・・
卒業までの3年だと・・・。
もちろん、読んだ本の数ではありません。
ただ、子どもたちは、幼稚園の3年間の生活の中で、 こんなにもたくさんの絵本に出会っているのです。
その、毎日の積み重ねの大きさを感じて頂ければ。

このブログでは、そんな日々の子どもたちと絵本との関わり、 様子、楽しんでいる絵本など、ご紹介していきます。

おじさんのつえ

2023年04月07日

お正月開け、雪の予報もあり、少し期待しましたが、残念ながら銀世界は夢となりました。でも子どものとしょかんには、冬ならではの、雪や氷にまつわる本も並び、むらづくりに励む日々の中、大好きな本、よみたかった本をクラスのなかまと思いっきり楽しみました。その中の何冊かをご紹介します。

先ずは3学期のトップバッター 3歳のクラス、つきぐみさんのとしょかんの一冊。

おじさんのつえ
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五味太郎 作・絵
1977年8月10日
第一刷 岩崎書店刊

長マントに帽子姿のおじさんが、ぴんくとおれんじまざりのながいものをつかって、次から次へと楽しんでいるのをみて、小さな男の子は
”ねえ、おじさん、それなあに つえなの?”
”でんわなの?”
”ケーブルカーなの?”
”すいどうなの?”
と聞きまくる・・・がおじさんは答えず、笛を吹いたり、花火をあげたり、星空をみたりしたあげく、飄々つえをついて姿を消す。
つきぐみさんは次から次へと魅力いっぱいの世界を展開するおじさんを只々追いながら、存分に楽しんだのでした。
五味太郎さんらしい美しい色彩とユーモアあふれる絵本です。

さるのオズワルド

2023年04月07日

次は、1月、5歳のクラスうみぐみさんのとしょかんの一冊です。

さるのオズワルド
saru
エゴン・マチーセン作
松岡享子訳
1998年3月第1刷 1999年6月第5刷
こぐま社刊

あるところに、いっぴきのちっちゃなつるがいてー
「おっとまちがい」さるがいて、
なまえをオズワルドといった。
・・・に始まるこの絵本、<おっとまちがい>の繰り返し。
その度にうみぐみさんは「えっ!また・・・」と大笑い。

一見、平和そうなオズワルドの住むさる社会。
ところがそこへボスざるのいかけやーーおっとまちがい、いばりや・・・
でっかくて、らんぼうで、みんなをけらいにしていばりちらしているいやなやつ・・・があらわれる。

さるたちはたかいえだに逃げブルブルふるえ、のみとりやまくらにさせられる毎日・・・
ところがある日、オズワルドがさけんだ
「いやだ!」
すると他のさるたちみんな「いやだ」「いやだ」「いやだ」「いやだ」の連発。

いばりやは「ウォーッ」ってうなったものの ひとりぼっち。そして決心して、いう。
「もうこれからはじぶんでなんでもするから、おりてきてくれよう・・・」と。
「いいよ、わかった」と平和が訪れ、「リンゴパーティー」をひらくが一番大きなリンゴはオズワルドがもらった。
いばりやの回心はオズワルドのおかげだったから・・・。

この絵本に出会ったこどもたちは、「ギャハハハ・・・」と大笑いして終ったあと ”かりてく!” と必ずいう。今回もしかり・・・。

エゴン・マチーセンは「あおい目のこねこ」で出会った作家。
デンマークの代表的絵本作家で絵本に関して、常に画家の目で見た「芸術的質」を大切にし、又「本が子どもに真実として受けとめられるためには、(本)の全体が作者にとって深い真実でなければならない」と説き真摯な姿勢で絵本を作り続けた・・・と著者紹介にあります。
とても楽しんだ一冊でした。

かんちがい

2023年04月01日

2月の初めにうみぐみさんとよみ始めた動物シリーズ。
2月の末日、シリーズの<5>を読みました。

かんちがい

kanchigai
吉田遠志 絵と文
1984年4月 初版発行
福武書店刊

アフリカサバンナの動物シリーズ5冊目は共に赤ちゃんを抱えたお母さん同志の間で起こったお話です。

ページを開くと、赤ちゃんを連れたサイのお母さんの横腹の大きな傷が目にとびこみます。いったい何が起こったのでしょう・・・?

サイの親子がおいしい草を求め、少し離れた森の側で草を食べ始めていると、森の中から赤ちゃん象がサイの赤ちゃんを仲間とかんちがいして近づいてきて二ひきはお互い相手を確かめ合っているのをみたサイのお母さんがこどもがいじめらているとかんちがいして走ってきたところに・・・

やはりこどもを心配した象のお母さんがサイのお母さんの脇腹を角で突いてしまいます。傷ついたサイのお母さんはどうなったでしょう・・・?

幸運にも翌朝だいぶ元気を取り戻したサイのお母さんの脇腹の傷を4羽のサイドリがきれいにしています。
アブやダニを食べて悪い病気からまもっていました。

3学期、この動物シリーズを読み始めてから、うみぐみさんはとしょかんに入る度に先ずこのシリーズの続きを・・・とたくさんの方の熱い期待の合唱。
それ位、この動物絵本は生命力にあふれ、野性そのものを感じさせてくれる他に類を見ない傑作です。

「絵本・物語るよろこび」(松居 直著 1990.9刊・福武書店刊発行)で吉田遠志さんを松居直先生は
「・・・動物を描いた画家、描ける画家は世界に数多くいるにちがいありませんが、こうした眼と腕で野性を物語をとおして描ける画家は決して多くはありますまい。吉田さんの絵本には、西洋的なものとちがう自然観、あるいは哲学のようなものが感じられます。まさに日本人の眼と感性がとらえた”野性のアフリカ”です。」と語られ「アニマ」107号の吉田さんの記事を紹介されています。

野生動物の世界には魅力がある。野生の法則には、金銭的な欲の争い、大量殺人の戦争がなく、異なった動物たちが思いのほか、平和に生活している。種類が違っても草食動物の群れが一緒に草を食べていることもある。
肉食動物は草食動物を食べるが、満腹しているライオンなどは見える所にいる動物でもとらない。草食動物は繁殖力が強いから自分たちの食物がなくならないためには数を制限する事が必要で、肉食動物とバランスをとっている。人間は家畜を食べるために皆殺しにするが、肉食動物は狩りをしても逃げられるものにはその機会を残している。無意味な殺生はしない。毛皮や牙をとったり、スポーツと称したりして動物を絶滅させてはいない。どちらが悪いかは明白である。犬を飼った人なら誰でも知っているように、仲間を裏切らない。こう考えて私は動物を愛し、その画を描いているから、「食うか食われるか」というような闘争の光景は描かない。うまく逃げられたり、群れを護ろうとするような光景ならば描いても良いなと思う。いくらでも素晴らしい題材がある。

上記の文章を紹介された後、松居先生は「動物や自然を愛する心は、幼い時から養われねばならない」という吉田遠志さんの心を、この絵本は幼い人々に伝えるでしょう。とあります。今後もこの動物シリーズは、大切によみ継がれていくことでしょう。

この一年を通してしみじみ感じたことは、つきぐみさん、うめぐみさん、うみぐみさんのどのクラスも一人のこらずの方たちがとてもとてもことばが大好き、絵本が大好きでとしょかんに入る度に”凄い”と感心しきりです。このことばの力はこれから生きていく子どもたちをしっかりと支えてくれることでしょう。

はじめてのおつかい

2023年03月31日

次は4歳のクラスうめぐみさんの3学期最初のとしょかんの一冊です。

はじめてのおつかい

hajimetenootsukai
筒井頼子さく 林明子え
1976年3月 福音館書店刊

ページを開くと・・・
うめぐみさんの目にとびこんできたのは・・・てんやわんやの台所・・・。
ベッドで赤ちゃんは泣いているし、やかんも鍋も沸騰状態、買物袋も掃除機も・・・

お絵書きしていたみいちゃんにおかあさんはあかちゃんのぎゅうにゅうのおつかいをたのみます。
「ひとりでかってこられる?」「うん!みいちゃん、もういつつだもん」と答え、くるまにきをつけることと、おつりをわすれないことを約束して出かけます。

5才になっている方がほとんどのうめぐみさんにとってみいちゃんはとても身近な存在。

よみすすむなか、みいちゃんが転んでお金を探したり、お店には誰もいなかったり、黒めがねのおじさんやふとったおばさんの登場に押しつぶされそうな不安感をいっしょに味わい、やっと牛乳を手に入れたみいちゃんを坂の下で待っていてくれてたお母さんに会った安堵感等、全て共有し、最後裏表紙では家に帰ってお母さんにころんだ時の傷の手当てをしてもらったみいちゃんと赤ちゃんが牛乳をのむ幸せいっぱいの姿が描かれていて、うめぐみさんは大満足で終りました。

この絵本は我が家の末娘がうみぐみの時、持ち帰ってきた月刊絵本で何度も一緒に楽しんだ思い出が甦ります。
林明子さんの隠し絵がたくさんありますのでご家庭でも楽しんでみて下さい。

だぶだぶ

2023年03月30日

次は、2月「こどものむら」づくりの真っ最中の3歳のクラス、つきぐみさんのとしょかんの一冊。

だぶだぶ

dabudabu

なかのひろたか さく・え
福音館書店刊
1970年5月 こどものとも刊
1998年3月 こどものともコレクション第一刷

あそびにいこうとするけんぼうにおかあさんがもってきたのは、だぶだぶのぼうしとうわぎ・・・
「いやだ、いやだ、にいさんのおさがり・・・」
と抵抗しますが・・・そのまま出かけます。
途中、しょんぼりねこといぬに出会うとだぶだぶぽけっとに入れ、とんできたはとをだぶだぶぼうしに入れてもりをたんけんしていると・・・
もりにはおおかみがいて、けんぼうに近づいたその時、
「ばた、ばた、ばた・・・」とぼうしからとびだしたはとに、おおかみびっくりひっくりかえり、ぽけっとのねこは、はなをひっかくやら、いぬは吠えまくった。
おかげで難をのがれ、木に登って隠れた丁度その時、追ってきたおおかみの真上に「うわーっ」「どすん」「ぎゃーおお」みんなおっこちてしまいました。
おおかみはどこかにきえ、みんなでうちへかえりました。

つきぐみさんはだぶだぶのけんぼうが、次々出会うねこやいぬやはとをちゅうちょなくぽけっとに入れたり、ぼうしに入れたりするのを憧れいっぱい見ていましたが、おおかみの登場のあたりから、ハラハラドキドキの様子が伝わってきました。

とても楽しんだ一冊です。
我が家の子どもが月刊で持ち帰り何回も楽しんだ懐かしい思い出がありますが、今はもう手に入りません。

ピエールとライオン

2023年03月28日

次は1月の終わり 4歳のクラス、うめぐみのとしょかんの一冊です。

ピエールとライオン
ためになるおはなし
はじまりのうた
といつつのまき

pierreandlion

モーリス・センダック さく
じんぐうてるお やく
1986年8月11日 第1刷
1991年3月19日 第3剃
冨山房刊

ピエールは優しいお母さんお父さんに育てられているけれど、何をいっても
”ぼく しらない”を連発するヘソ曲がりの男の子。
両親に「まちへいこう」と誘われても「ぼくしらない」とひとりで留守番。

ある日、はらぺこらいおんやってきて「しにたいかね」と聞くと
ピエールは即刻
「ぼくしらない」
「くわれちまうってしってるだろ?」
「おれのおなかにはいっちゃうんだぞ。」
ところがピエール「ぼくしらない」と言うばかり。

らいおんは「ごちそうさま」とピエールをたべちゃった。
家に戻った両親が見たのは・・・ベッドに横たわるライオン・・・。
医者がライオンを逆さにしてふるや、ピエールはどしんと床におち、にっこり笑う。
「わたしにおのりください・・・」
というライオンの誘いには
「はい。わかりました。のりまーす!」
と終ります。

「かいじゅうたちのいるところ」「まよなかのだいどころ」で作者センダックの世界の醍醐味を既に味わっているうめぐみさんですが、この少し小さな絵本は4冊セットになっていて、どれも又々個性的で楽しいのです。出会った翌週も一番に要求があり、笑いころげて楽しんだ一冊です。

シーフカ・ブールカまほうの馬

2022年12月27日

最後は11月の後半、5歳のクラスうみぐみさんと楽しんだロシアの昔話です。

シーフカ・ブールカまほうの馬

mahounouma

M・ブラートフ再話 松谷さやか 訳
B・デュオードロフ 絵
1997年9月20日 福音館書店刊

昔あるおじいさんには3人の息子がいて末息子は ”イワンのばか” とよばれていましたが、ある日おじいさんの麦畑が喰い荒らされ、夜、息子たちが順番に見張りにつくのですが、何と!!賊を見事に捕らえたのは末息子イワンだったのです。

イワンが捕えたのは毛並は金と銀、耳から煙を立ちのぼらせ、鼻から炎を吹き出すまほうの馬でした。

馬は ”逃してくれれば何でもします” と訴え、
「用事があれば三度口笛吹いてシーフカブールカまほうの馬よさあかけてこい!!って呼ぶように」
と伝えます。

その後、国中に
「たかい塔のまどべに座っているエレーナ姫の指から指輪を抜きとったものは姫の婿に選ばれるであろう」
というおふれが出ます。

イワンは魔法の馬に頼んで挑戦し、三度目に成功にこぎつけます。

家族からバカ呼ばわりされ続けるイワンですが、最後、姫が見事イワンの持っている指輪を見つけ、めでたく結婚のお祝いとなります。
めでたしめでたし。

ロシアの昔話の中で「魔法の馬」として必ず登場するお話です。
美しいお姫さまも登場したり、何とも猛々しい魔法の馬が登場したりでうみぐみさんもこんな話って・・・と今まで出会ったことのないお話を目を白黒させながら聞き入り楽しんでいました。

今、この絵本は手に入りませんが、「ロシアの昔話」という昔話集の中には必ずや登場するお話なので一度出会ってみて下さい。特におすすめは、「ロシアの昔話」内田莉莎子編 訳・タチヤーナ・マブリナ画 福音館書店刊です。
まだまだご紹介したい本はたくさんありますが、次の機会に・・・。

どのクラスの子どもたちもことばが大好きで毎日魅力のある美味しいことばをむさぼるように耳から食べての生活です。言葉の豊かさは心の豊かさにつながると信じます。

おやすみなさいフランシス

2022年12月27日

次は11月遠足のあとの4歳のクラスうめぐみさんのとしょかんの一冊。

おやすみなさいフランシス

oyasuminasai

ラッセル・ホーバン ぶん
ガースウィリアムズ え
まつおかきょうこ やく
1966年7月初版 福音館書店刊

夜7時、あなぐまのフランシスは両親に「もうねるじかん」と言われますが、ねむくないフランシスは
”ミルクがほしい”
・・・に始りあれこれおねだりします。
でもねむれないフランシスは自作のうたをうたいます。

「あはアップルパイ、いはいたち、うはうみへびよ、あたまにリボンをつけている。・・・」
とはとらだぞ・・・とらの出現から近くにとらがいる・・・おおおとこがいる、天井にあなが・・・と訴えに来るフランシスの気持ちを両親は冷静に聞き、それはね・・・と話し安心させます。

それでもいっこうにねむくならないフランシスにおとうさんは何故ねむらなくてはならないかを話します。

みなそれぞれの仕事があり、それを怠ると、失業する。おまえがいま寝にいかなかったら・・・・
「あたしもしつぎょうする?」
「いいや」
「おしりぶたれる?」
「そのとおり」
この会話の後、フランシスは気になることがあっても少し考え、自分で自分を納得させ、深い眠りに入ります。

うめぐみさんは丁度等身大の話に最初からとても楽しんでいて、フランシスのうたのあたりから大笑い。最後、おしりぶたれる?の会話も爆笑でした。とても楽しんだ一冊です。

他社からですが「フランシスのおたんじょうび」「ジャムつきパンとフランシス」「フランシスのいえで」「フランシスのおともだち」等出ていますので楽しんでみて下さい。

てぶくろ

2022年12月27日

次は11月の3歳のクラスつきぐみのとしょかんでの一冊。

ウクライナ民話
てぶくろ

tebukuro

エウゲーニー・M・ラチョフ え
うちだりさこ やく
1966年11月刊 1976年1月第28刷 福音館書店刊

あたり一面の雪の中、おじいさんが森を歩いていて、てぶくろを片方落していってしまうと、そこへねずみがやってきて
「ここでくらすことにするわ」
と入り、かえる、うさぎ、きつね、おおかみ、いのしし、最後はくままでやってきては
”わたしもいれて”
ぼくも、おれもと次から次へと入り込み、今にもはじけんばかりになったとき、おじいさんがてぶくろをさがしに戻ってくるのですが、てぶくろはむくむく動いていて子犬が吠えた途端みんなてぶくろからあちらこちらへ逃げだし、おじいさんは無事てぶくろを拾います。

次々登場する動物はそれぞれ民族衣装を身につけ交わす会話の面白さと、てぶくろの家をかさあげしたり、梯子をつけたり、中が賑やかになる度にとても凝った住処となっていくのが面白く、つきぐみさんは次から次へと登場する動物たちに
”えーっまた!!”
”もういっぱいだよ”
”はいれないよね”
等とつぶやく声が聞こえてきて、とても楽しみました。

とんだトロップ

2022年12月27日

11月の5歳のクラス、うみぐみのとしょかんの一冊

とんだトロップ

tondatorop

小野かおる 文・絵 1998年6月25日 福音館書店刊

極寒の小さな村に住む男の子トロップは父さん母さん兄さんと暮していて、何でも得意な兄さんに憧れていました。

夏祭りのジャンプ競争の一等の商品・・・ししゅうのついたきれいなくつをみた子どもたちは皆、ジャンプの練習に励みはじめました。

ところがトロップは兄さんのように高くとべず、練習を繰り返します。

それを見た大男の兄弟のまほうつかいが
”ちょっとおしえてやろうかな”
といって姿を見せず
”もっとひざをまげて、かおをうえにむけて”
と声をかけ始めました。

驚いたトロップでしたが、いわれるとおりにとんでいるうちに高くとべるようになると、まほうつかいはジャンプのおまじないを教えてくれます。
”ぎゅっとてをにぎって、とぶときにフレップトリップホーイホイ、ピルカンタラリンホイといってごらん。”

ところが競争当日、トロップはおまじないを間違えてしまい、木のてっぺんどころかあがったまま暗くなった頃、降りてきてごぼうびのくつをもらいました。

うみぐみさんはトロップがおまじないを間違えてしまい、どうなることか・・・ととても不安な表情でしたが、戻ってきた瞬間ほっとした様子で最後おもしろかったー!!といってとしょかんを後にしました。

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